「恋をせずに交際しましょう」、そう割り切ってデートアプリで出会ったふたりの行く先は? 『恋愛の抜けたロマンス』公開

 英語タイトルは『Nothing Serious』。(心配するひとに)大したことない、もう大丈夫と言うような意味だ。

 男女間の生々しい描写と、平成初期の日本の人気ドラマにも通じるトレンディ風味が絶妙にバランスして、なんとも「にくめない」作品に仕上がっている。一度や二度、つらい恋を通過したひとなら、「ああなるほど」とうなずく箇所が両手指の数ぐらいはあるはずだ。

 29歳のジャヨンは元カレとのつらい恋から「もう恋なんかしない」と決意したが、からだはうずくし、やっぱり男なしにはいられないということで、デートアプリの客となる。33歳で雑誌社勤務のウリもやはりつらい恋を体験したばかり、折しも編集長からアダルト的なコラムの執筆を命じられ、仕事の一環としてデートアプリに加入させられた。

 やがてジャヨンとウリはアプリを通じて知り合い、リアルでも会うようになるのだが、もちろん互いに偽名を名乗り、目的も本音もすべて隠したままの“交際”だ。恋愛なしでいきましょう、という割り切りなど、いつまでも続かないとしても、それを保とうとするふたりの努力も見ものだ。

 まわりの友人たちも個性豊かなキャラばかりで、「群像劇」としても輝きを放っている。監督チョン・ガヨン、7月8日から東京シネマート新宿、川崎チネチッタほかで公開。第58回百想芸術大賞 4部門ノミネート作品。

映画『恋愛の抜けたロマンス』

7月8日(金)シネマート新宿ほかロードショー

出演:チョン・ジョンソ、ソン・ソック、コン・ミンジョン、キム・スルギ、ペ・ユラム、キム・ジェファ
監督:チョン・ガヨン
脚本:チョン・ガヨン、ワン・ヘジ
撮影:イ・ソンジェ
音楽:サンウジョンア
編集:ナム・ナヨン
配給:クロックワークス
2021年/韓国/95分/カラー/ビスタ/5.1ch/日本語字幕:朴澤蓉子
英題:NOTHING SERIOUS/レイティング:PG12
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