見たことのない父に会いに「みらく島」へ。台湾・沖縄合作のファンタジックな一作『ボーダレス アイランド』

 台湾と沖縄のスケール感豊かなコラボレ―ションという感じの作品だ。台湾のお盆「鬼日」と、沖縄の旧盆初日「ウンケー」について事前に調べておくと、鑑賞にいっそう身が入ることだろう。

 台北に母と二人で暮らしているロロが、ある日、本の間に挟んであった古い写真を見つける。そこには明らかに父と思われる人物が写っていた。自分と母を捨て、沖縄に帰ったと聞かされていた父だ。それでも一度会ってみたいという気持ちに変わりはない。母の反対を押し切り、ロロは日本語を勉強しているアーロンと共に沖縄に向かう。

 話が進むにつれ、このアーロンの存在と、「みらく島」というファクターが利いてくる。「みらく島」は旧盆のあいだ、外部の者が島に立ち入ることを禁じられている。強引に島に行ったロロとアーロンが見たものは、「この世」と「あの世」の境界線というべき世界だった。

 以下の展開を書くのは差し控えるが、「まぶたの父」と「ゾンビ」のマッシュアップというべき世界は斬新であり、奇妙にロマンティックだ。監督:岸本司、脚本:岸本司、木田紀生、音楽:辺土名直子、真栄里英樹、主題歌はHY「三月の陽炎」。10月1日から東京新宿K’s cinemaでロードショー。

映画『ボーダレス アイランド』

10月1日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開

<キャスト>
李佳穎 朝井大智 中村映里子
城間やよい 洪綺陽 吉田妙子 尚玄 新垣正弘 ジョニー宜野湾 池間夏海 賴雅・ 大城なつえ ベンビー エリカ 小橋川嘉人 池間海智 平良直子 新垣晋也 / 加藤雅也

<スタッフ>
エグゼクティブ プロデューサー:井手裕一/福原康兒/大田高美雄 プロデューサー:大日方教史/張仟又 脚本:岸本司/木田紀生 音楽:辺土名直子/真栄里英樹 撮影:羅偉恩 照明:兼城明盛/謝松銘 美術:竹内公一(A.P.D.J) 録音:横澤匡広 衣装:宮本まさ江 編集:長坂智樹 V F X スーパーバイザー:匂坂正宏 助監督:松尾崇 カラリスト:洪文凱 アクションコーディネイター:翁長大輔 音響効果:勝亦さくら スチール:今泉真也/王才華
【協賛】オリオンビール株式会社 AXMAN 【撮影協力】沖縄観光コンベンションビューロー沖縄フィルムオフィス 【制作支援】沖縄県 【制作プロダクション】シュガートレイン AZURE 【配給宣伝】MAP 【配給協力】ミカタ・エンタテイメント 【製作】シュガートレイン 安通國際事業股・有限公司 琉球新報社
(C)2021「ボーダレス アイランド」製作委員会

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