「民族ハッピー組」の馬渕恭子が人妻役! アフターコロナを予見した快作ラブコメディ

 どんな内容なのか想像もつかないタイトルなのがいい。と同時に、よくこうした発想が浮かぶものだと拍手をおくりたくなる。

 不倫ウイルスとはなんなのか。つまり、これに感染すると、不倫したくてたまらなくなるのだ。好きであろうがなかろうが、会ったことがあろうがなかろうが、これにかかると既婚者と恋に落ちてしまうのだ。頭では「何をやっているんだ私は俺は」と思いつつも、体が動いてしまうのだ。勝手に見知らぬひとの手を握ったり、抱き寄せてしまうのだ。これにつける薬はあるのか?

 キャッチフレーズは「アフターコロナの新《性》活様式を描いたラブコメディ」。面白みの中にふと哀愁がにじむところもあり、夫婦愛・親子愛でジーンとさせるシーン、職場における上司のずるさ・理不尽さも描かれる。“不倫ウイルス”以外の描写は、実に「あるある」で、そこがこの物語の足を地につけていると感じた。

 ウイルスに感染してしまった主人公を依田啓嗣が演じ、お笑いコンビ「インパルス」の堤下敦も中年男の業というべき役柄を快演、ほか『カメラを止めるな!』で名を広めたしゅはまはるみ、恵比寿マスカッツでも活躍した川上なな実や金子みひろも登場。主人公の妻を、アイドルグループ「民族ハッピー組」の馬渕恭子が演じているのは大抜擢だと思う。

 監督・脚本はテレビドラマ「世にも奇妙な物語」「ひぐらしのなく頃に」などを手がけてきた長谷川徹。10月28日から東京池袋HUMAXシネマズにて公開される。

映画『不倫ウイルス』

10月28日(金)より池袋HUMAXシネマズにて公開

<キャスト>
依田啓嗣、馬渕恭子(民族ハッピー組)、堤下敦(インパルス)、しゅはまはるみ、川上なな実、金子みひろ

<スタッフ>
製作・脚本・監督:長谷川徹 助成:映画少年映画祭 撮影:福島直樹 編集:西川祐司 主題歌:「にじゅう六日」Her knuckle 音楽:川崎正貴 宣伝デザイン:NORA DESIGN 宣伝:滝澤令央 配給:無限の猿定理 配給協力:Cinemago 販売元:オデッサ・エンタテインメント
2022年 / 日本 / 81分 / DCP/ カラー /16:9 / ステレオ
(C)無限の猿定理
公式サイト