ホームレス詐欺師一家と裕福な一家の偶然の出会いが、驚きの展開を運ぶ。キャッチーな場面が続出する話題作『高速道路家族』

 「ユーモア、サスペンス、アクション……映画のすべてが詰まった傑作」と、第27回釜山国際映画祭でも称賛された『高速道路家族』が4月21日からシネマート新宿、アップリンク吉祥寺、池袋シネマ・ロサ他で公開される。とにかくキャッチーな(強烈な)モチーフが次から次へと登場して物語が進む。5本分ぐらいのネタが1本に凝縮されている印象だ。音楽でいえば、どこをとってもサビという感じか。

 中心となるのは、ホームレスの一家4人。サービスエリアにテントを張って暮らし、そこの利用客に財布を落としただのと嘘八百を並べて、その日食っていけるぐらいの金を「借りる」。子供ふたりは学校に行っていないこともあって字の読み書きができない。夫は嘘や屁理屈が泉のように湧いてくるタイプで、妻は3人目を妊娠している。この一家の嘘に一度だまされた家具屋経営の裕福な老女が、ふたたび彼らと遭遇し、詐欺行為を警察に報告するあたりから物語は急加速していく。

 これ以降の展開はすべてネタバレにつながるといっていいほど緻密に作られた作品なので詳述は避けるが、「学ぶことの楽しさ」を知った子供たちの晴れやかな表情と、恨み節まるだしの父親の行動の対比が深まれば深まるほど、物語の奥行は増す。

 ホームレス一家の父親ギウ役を演じるチョン・イルは、これが7年ぶりの映画出演であるという。裕福な老女ヨンソン役にはラ・ミランが扮する。監督は、ヒット作『スキャンダル』のイ・ジェヨン監督に師事した気鋭イ・サンムン。

映画『高速道路家族』

4月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

監督・脚本:イ・サンムン
音楽:イ・ミンフィ
美術:ソン・ソイル
出演:チョン・イル、ラ・ミラン、キム・スルギ、ペク・ヒョンジン
2022年/韓国/韓国語5.1ch/128分/英題:Highway Family/字幕翻訳:具美佳
配給:AMGエンタテインメント
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