「UFOのまち」羽咋市で一体何が? SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023で絶賛された一作『地球星人(エイリアン)は空想する』

 監督・脚本・編集を松本佳樹が手掛けた話題のインディペンデント作品、『地球星人(エイリアン)は空想する』が、5月11日から24日にかけてK’s cinema(新宿)で上映される。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023において優秀作品賞とSKIPシティアワードのW受賞に輝いた一作で、メインスタッフがわずか3人という状況で制作されたという。

 主人公は、雑誌記者の宇藤。彼が務める雑誌はけっこうハッタリ系というか「奇をてらった感じでもいいから、一人でも多くの人の目に留まりたい」というスタイルのようだが、宇藤自身はあくまでも真実に基づく、地に足をついた報道をよしとする。彼が向かったのは「UFOのまち」との異名をとる石川県羽咋(はくい)市。カルト臭ぷんぷんの「大学生エイリアンアブダクション事件」の真相に迫るためだ。最初こそ「そんなことがあるものか」という感じだった彼だったが、やがて自らが事件の謎に巻き込まれてゆく。

 もうひとりの重要人物である高校生・乃愛と知り合う場面は、当初こそ、まさに「別世界の者どうしの出会い」という感じではあったが、記者としての探求心もあるだろうし、大人の余裕もあるのだろう、やがては乃愛の心に重なっている薄皮を少しずつはがすようにしつつ、事件の真相に迫っていく。

 ひじょうにシンプルかつ奥行きのある内容だが(「愛」とは何か、問いかけられているようにも感じた)、私はとくに「絵」が登場するシーンに目を見張った。なんと雄弁な色彩なのかと思った。宇藤役は石川県を拠点に俳優活動を続ける田中祐吉、乃愛役は山田なつき。ほかの出演者はアライジン、中村更紗、村松和輝、星能豊など。

映画『地球星人(エイリアン)は空想する』

新宿 ケイズシネマにて5月11日(土)~5月24日(金) 2週間限定上映 ほか全国順次公開

【キャスト】
田中祐吉、山田なつき、アライジン、中村更紗、村松和輝、星能豊、ひろえるか、小夏いっこ、町田英太朗、大城規彦、西村優太朗、西よしお、八野田秀平、濱田良男、藤えりか、藤澤克己

【スタッフ】
監督・脚本・編集:松本佳樹/撮影監督:常川千秋/撮影:北林佑基、松本佳樹/監督補佐:北林佑基/劇中絵画:松本佳樹、山田なつき/撮影応援:冨永悠奏/美術応援:佐々木かな、林真子/車輌:田中祐吉、星能豊、大沼賢太 製作:世田谷センスマンズ 配給:工藤憂哉
2023/99分/シネマスコープ/カラー/日本/英題:Alien’s Daydream

公式サイト
https://aliens-daydream.amebaownd.com/