第26回富川国際ファンタスティック映画祭ではわずか10秒で完売、ファンタジア国際映画祭では「独創的でカリスマ的なエネルギーで観客を魅了する新ジャンル映画」として称賛された一作が日本上映される。“Kホラーの巨匠”こと、チョン・ボムシク監督の最新作だ。

一本の映画ではあるが、内容はオムニバス的な色彩を帯びている。とはいえ、それぞれの「章」が微妙にリンクしていて、初めの頃に登場するいくつものモチーフが最後の頃にひょっこり飛び出したりもする。観終わったあと、私が思い出したのは、ベートーベンの、あの有名な「交響曲第9番「合唱付き」」である。
舞台は世界有数の大都会・ソウル。輝きが強ければ強いほど、影もまた濃くなるのが道理だ。貧富の差は激しく、セレブリティを謳歌するひとたちもいれば、半地下でボロボロの生活を送りながらソーシャルメディア上での他者との交流に没頭する者、臓器売買で生き延びる者もいる。この映画でフィーチャーされているのは年齢も境遇もさまざまな男女6人だが、「死と隣り合わせ」であることに変わりはない。おぞましいほどのストーリー展開とはいえ、カメラ・ワークは存分にスタイリッシュであり、いつしか私の中で「なんと陰鬱な」という気持ちと、「かっこいい」「美しい」という気持ちが交錯した。
出演はチェ・ジウ、イ・ユミ、チェ・ミンホ(SHINee)、ピョ・ジフン(Block B)、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン他。
映画『ニューノーマル』
8月16日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:チョン・ボムシク
出演:チェ・ジウ、イ・ユミ、チェ・ミンホ(SHINee)、ピョ・ジフン(Block B)、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン
2023年/韓国/韓国語5.1ch/113分
字幕翻訳:根本理恵
提供:AMGエンタテインメント ストリームメディアコーポレーション
配給:AMGエンタテインメント
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