A24×タイ・ウェスト×ミア・ゴスによるホラー三部作の完結編、『MaXXXine マキシーン』

 監督・脚本はタイ・ウェスト、主演はミア・ゴス。それだけでも不穏な空気が漂う。一筋縄ではいかない、時に背筋のゾッとする世界が約2時間、保証されるといっていい。

 『X エックス』や『Pearl パール』が評判となった両者のコラボだが、今回は『X エックス』に登場したキャラクター、マキシーンをさらに掘り下げたものとなる。マキシーンはテキサスで起きた猟奇的な大量殺人事件の現場で、奇跡的に助かったひとり。その事件から6年後のマキシーンの姿から、物語は始まる。舞台背景は1985年のハリウッド。前年にロサンゼルスオリンピックを終え、音楽で言えばMTVが大流行し、プリンス、マドンナなどが急速に注目を集めていた時代である。CDという新しいメディアがレコードにとってかわられるのではないか、といわれていた時代の“映画の都”ハリウッドである。

 殺人事件で助かってからのマキシーンはポルノ界に参入して人気者となったが、やはりステップアップしたいし、ホンモノのスターになりたい。そこでホラー映画『ピューリタンII』のオーディションに参加するが、その頃ハリウッドでは「ナイト・ストーカー」と呼ばれる連続殺人鬼が恐怖を振りまいていた。マキシーンの周りでも役者仲間が殺されていくのだが、彼女自身には被害が及ぶことなく、見事に主役の座を射止めてスター・アクトレスに。それは単にラッキーの確率が高すぎるだけなのかもしれないが、だとしてもできすぎてはいないか? 謎の私立探偵(ケヴィン・ベーコン)や85年当時の最先端の職種であったろうレンタルビデオ屋の店長(シンガーソングライターとしても有名なモーゼス・サムニー)なども巻きこんで、物語はスピード感たっぷりに進んでいく。ラストには、「まさか!」と声が出た。

映画『MaXXXine マキシーン』

6月6日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

監督・脚本:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス、ケヴィン・ベーコン、ジャンカルロ・エスポジート、エリザベス・デビッキ、モーゼス・サムニー、リリー・コリンズ
|原題:MaXXXine|2024年|アメリカ映画|上映時間:103分|R15+|
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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公式サイト
https://happinet-phantom.com/maxxxine/