映画『笑む窓のある家 4K修復版』『ZEDER/死霊の復活祭』、イタリアの巨匠、アヴァティ監督の再評価が進む! 古典的ホラー2作品が上映

 プピ・アヴァティ監督の古典的な2作品が劇場でかかることになった。東京・シネマート新宿ほかで『笑む窓のある家 4K修復版』は11月21日、『ZEDER/死霊の復活祭』は11月23日からの公開だ。(『ZEDER/死霊の復活祭』は回数限定公開)

 アヴァティは、自分が初めて知ったイタリア人映画監督かもしれない。というのは上京から間もない頃に観た映画『ジャズ・ミー・ブルース』の監督が彼だったからだ。その映画の主人公は破滅型のドイツ系アメリカ人(だと思う)の音楽家ビックス・バイダーベックなのだが、よく見ると、長生きしたイタリア系アメリカ人の音楽家ジョー・ヴェヌーティの出番がとても多く、それは私には“若死により、長く生きる方がよほどすごいんだ。あと、ジャズ界におけるイタリア移民の重要性を忘れるなよ”というメッセージにも感じられた。かつてジャズ・ミュージシャンを志したこともあるアヴァティは、この11月3日に87歳の誕生日を迎えた。

 『笑む窓のある家 4K修復版』は1976年の作品で日本初公開。北イタリアの田舎町の境界にある古びたフレスコ画がカギを握る。その絵は謎の死をとげたレニャーニという男が書いたものだった。その「死にまつわる謎」はいわくつきで、それを解くことは町で禁じられており、それでも解こうというものは殺害される。だが、絵画修復師のステファノは、そのフレスコ画を修復するためにやってきたのであり、ということは、いやがおうにもレニャーニという男の存在にも向かい合うこととなる。BFI(英国映画協会)が発表した「イタリアン・ゴシック・ホラーの傑作10選」に選ばれたそうだが、ワッと怖がらせるよりも、ヒタヒタと不気味さが迫ってくる感じだ。音楽はアメデオ・トンマージ、その洗練された響きが映画と妙なるコントラストを描く。邦題が“笑う”ではなく“笑む”であるところにも注目だ。

 『ZEDER/死霊の復活祭』は1983年の作品。キーワードはやはり「Kゾーン」だろう。ここには時間も季節もなく、成長も死も存在しない。「無」なのだ。それゆえに死者と接触できると信じられており、また、死からの帰還が可能になるという。では、この「Kゾーン」を誰が見つけたのか。が、おそらく発見者に違いないパオロ・ゼダーという男は、ある時から行方不明だ。探偵や宝探しの要素も含みながら、物語は進む。ワッと怖がらせるよりも、こちらを考えさせ、ときには煙にまきながらのホラーといえようか。だが“死霊の復活祭”という邦題サブタイトルに偽りはない。

映画『笑む窓のある家 4K修復版』

11月21日(金)より シネマート新宿 ほか全国順次公開

出演:リノ・カポリッキオ、フランチェスカ・マルチャーノ

監督・脚本:プピ・アヴァティ 音楽:アマデオ・トンマーゾ
1976年|イタリア|カラー|イタリア語・モノラル|アメリカン・ヴィスタ|DCP|上映時間111分|日本語字幕:ネルソン聡子
提供:是空/TCエンタテインメント 配給:インターフィルム
(C) 1976 SND (M6 Group) and ACEK SRL

映画『ZEDER/死霊の復活祭』

11月23日(日) シネマート新宿にて緊急回数限定公開
配給:インターフィルム

公式サイト
https://emu-avati2025.jp/