2009年にマレーシア・中国・日本合作映画として制作され、その3年後に日本初公開された『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』が、デジタル・リマスターのうえ久々にスクリーン上映される。いまや大物監督であるマレーシア出身、リム・カーワイの初期を代表する一作だ。

モノクロとカラーのコントラストを生かした内容といえようか。主人公はア・ジェという男。10年ぶりに故郷に戻ったのだが、どういうわけか彼にまつわる記憶が消されていると思えるほどに認識されていない。家族ですら彼の存在を覚えていないのだ。その中で唯一、彼のことを覚えていたのはレストランを経営するラオ・ファンだけだった。が、この男が相当なクセモノで、ア・ジェは身に覚えのない殺人の罪で処刑されてしまう。つまり死んだのだ。が、なぜか再び彼は現世に姿を現す。このあたりから俄然ファンタジックな色合いが強まるのだが、画面はあくまでも苦み走っていて、こちら側(見る者)は何とも不可思議な世界へと引きずり込まれていく。どこがどう不思議なのか、は、見る者の人生経験によってわかれそうだが……。ア・ジェは日本人俳優の大塚匡将(まさのぶ)が演じている。
映画『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』
2025年11月29日(土)よりイメージフォーラム 他全国順次公開
大塚匡将、ゴウジー(狗子)、ホー・ウェンチャオ(何文超)
監督・脚本:リム・カーワイ 撮影:メイキン・フォン・ビンフェイ(馮炳輝) 録音:山下彩 編集:奥原浩志、Phillip Lin 美術:Amanda Weiss 音楽:Albert Yu 配給:Cinema Drifters 宣伝:大福
2025/2010|マレーシア・中国・日本|モノクロ+カラー|DCP|ステレオ|98分
(C)cinemadrifters