新型コロナウィルスの恐怖が本格的に世界中の人々を覆い始めたのは2020年の春だったと記憶する。一時は、世界が協力してこの難事に立ち向かおうというような姿勢が垣間見えて、「仲良くしようとすればできるんじゃないか? だとすればなぜそれを普段からしないのか?」という考えにもさせられたが、結局なんだかんだと言って2025年の今、ますます進んでいるのは分断であるように感じる。そのほうが一定の層には有利であり、儲けやすいのであろう。

さあ、この映画はコロナ禍を舞台にした、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな街の物語である。私は以前、複数のひとから、アメリカには「マスクをする」という習慣がない、と聞いたことがある。人前でマスクをするのはもってのほか、私は重病人ですとか伝染病患者です、と言いまわっているようなものであると。コロナ禍にあってもそうした、刷り込まれたマインドが簡単に変えられるわけもなく、「マスクをする/しない」が物語のファクターのひとつとなる。
そこに小さな街にありがちな閉鎖的な人間関係とコネ、保安官と市長のバトル、SNSを「イキるための道具」として使う者たち、カルト集団に魅了されていく妻など、さまざまな要素が闇鍋のように詰め込まれ、煮込まれて、映画は進んでいく。公式ホームページにある“炎上スリラー”という表現は、言い得て妙である。監督・脚本はアリ・アスター、出演はホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー、ルーク・グライムス、ディードル・オコンネル、マイケル・ウォード等。
映画『エディントンへようこそ』
2025年12月12日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本:アリ・アスター
出演:ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー、ルーク・グライムス、ディードル・オコンネル、マイケル・ウォード
配給:ハピネットファントム・スタジオ 原題:EDDINGTON
|2025年|アメリカ映画|PG12|148分
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