レオス・カラックス監督の初期の傑作が4Kレストア版として公開が決定。フランスが誇る異才監督の世界に浸る4作品

 フランスの異才、レオス・カラックス監督の初期作品が4Kリマスターで蘇る。『ポンヌフの恋人』が12月20日、『汚れた血』が1月10日、長編デビュー作『ボーイ・ミーツ・ガール』が1月31日、『ポーラX』が2月21日より渋谷・ユーロスペースほかで連続公開される。

 1991年フランス公開の『ポンヌフの恋人』は完成までに3年間かかったという一作。あまりにも作業が進まないので「呪われた映画」と呼ばれたそうだが、いざ公開されるとパリだけで26万人を集める大ヒットとなり、日本ではシネマライズ渋谷(いまはライヴハウス「WWW」になっている)の単館ロードショーで27週のロングランを記録したという。

 不眠症の大道芸人と思うところあって家出した画学生の、明日が来ることなど信じてたまるか、的な、刹那に生きる男女の物語。疾走感、日々の行動、ともにパンクであるが、「どう考えても合法的にパンクな生活などできない時代」に生きるひとりである私には、のたうちまわりながらどんどん汚れていくふたりに「なんとも形容しがたい美」を感じてしまう箇所もある。ブチキレながら火吹きをする大道芸人を長めの時間、さまざまな距離感で捉えたカメラ・ワークにも見入った。デヴィッド・ボウイ「モダン・ラヴ」が流れている中でのシーンなど、このまま同曲のミュージック・ビデオになっても不思議ではないほどハマっているし、花火の捉え方も実に骨太だ。

 私は初期カラックスのカメラの捉え方やシーンのつなぎ方に、なぜか実相寺昭雄のそれを思い出すのだが、それはさておき、初期カラックス作品の要と言えるドニ・ラヴァンとジュリエット・ビノシュのコンビネーションも含めて、じっくり楽しみたい初期作品群である。

特集上映「レオス・カラックス監督 初期傑作選『ポンヌフの恋人』」

12月20日よりユーロスペース ほか全国順次公開

監督・脚本:レオス・カラックス
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ/美術:ミシェル・ヴァンデスティアン/録音:アンリ・モレル/編集:ネリー・ケティエ/製作総指揮:クリスチャン・フェシュネール/製作指揮:ベルナール・アルティーグ/製作主任:エルヴェ・トリュフォー、アルベール・プレヴォスト/共同製作:アラン・ダアン
出演:ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、クラウス=ミヒャエル・グリューバー
1991年/フランス映画/カラー/125分/DCP/日本語字幕:松岡葉子/配給:ユーロスペース
(C) 1991 STUDIOCANAL – France 2 Cinema
(C) Eurospace

以後
 2026年1月10日公開 『汚れた血』
 2026年1月31日公開 『ボーイ・ミーツ・ガール』
 2026年2月21日公開 『ポーラX』

いずれも渋谷・ユーロスペースほかで連続公開

https://carax4k.com/pontneuf/
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