呪術の謎めきと、スピード感たっぷりのアクションが余韻を生む、新世代ゾンビ・ムービー『呪呪呪/死者をあやつるもの』

 いわゆるゾンビ・ムービーということになるのだろうが、これほどまでにゾンビ連中が生き生きと、生命感をみなぎらせるかのように動き回るとは、すこぶる新鮮。ゾンビたちのアクションの切れ味、何度殺された状態になっても瞬時に回復するパワー、生きている面々との“身体能力のバトル”というべき展開の数々など、ホラーの怖さ、アクションの興奮、ストーリーの奥深さが一体となった110分と呼びたい。

 ある日、閑静な住宅街で凄惨な事件が起きる。被害者も死んでいたが、加害者らしき者も、その横で死んでいた。死後、およそ3カ月。チョン刑事(チョン・ムンソン)率いる捜査隊が早速動き出すが、それとは別に女性ジャーナリストのジニ(オム・ジウォン)も事件の調査にとりかかっていた。うかびあがったのは、超の字のつく大企業。かつて秘密裏に○○○○を繰り返していたとの話もある、裏にダーティな空気の漂う、だが政治家とはばっちり手を結んでいそうな大手カンパニーだ。

 ここからいかにゾンビに結びつけて物語を高揚させるか、制作陣は考えを巡らせたに違いない。○○○○には「そう来たか」と、日本の占領下に起きたさまざまな事件を思いめぐらせてしまったし、ジニの知り合い関係に注目して見るのも一つの手だ。彼女は、じつにユニークな人脈を持っているのである。監督キム・ヨンワン、原作・脚本ヨン・サンホ。2月10日から新宿バルト9ほか全国公開。

映画『呪呪呪/死者をあやつるもの』

2月10日より新宿バルト9 ほか全国公開!

監督:キム・ヨンワン
原作・脚本:ヨン・サンホ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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公式サイト
https://happinet-phantom.com/jujuju/