日仏合作映画『海の底からモナムール』公開記念舞台挨拶。「桐山漣」と「清水くるみ」が、フランス人監督が演出した「リアルな幽霊像」や「エロさ」を語る

 日仏合作映画『海の底からモナムール』が、遂に日本で公開! 12月5日には、主演の桐山漣清水くるみが登壇(@アップリンク吉祥寺)し、フランス人監督ならではの本作のリアルな幽霊像や、エロさなどについて語った。

 本作で清水くるみが演じるミユキは、10年前、イジメに遭い、崖から飛び降り、17歳のままの姿で海底にいるという設定。桐山漣は『貞子』『呪怨-ザ・ファイナル-』で日本2大ホラーに出演したが、日本のホラーに出てくる幽霊とミユキの違いを聞かれ、ミユキの行動は、桐山演じるタクマを好きがために、という感じで、桐山は、「びっくりさせるような演出はあったけれど、『怖がらせにやってきた』という感じはしなかったです」と回想。

 清水はミユキを演じるにあたって、「私は幽霊だと思って演じていなかったです。映画を見たら、『あっ幽霊だ』と思いました。リアルな感じの幽霊です。現場でもロナン監督に、『そのまま等身大で演じて』と言われていたので、『ザ・幽霊』という認識はなく、死んでしまって、そこに気持ちが残っているという感じで演じていました」と語った。

 ミユキが桐山演じるタクマの彼女の鼻血をストローで吸うというシーンが衝撃的で、同時にエロティックに見えるが、鼻血を吸うという行為に関して、清水は、「最初に台本を読んだ時に、『どういうこと?』って思って、想像がつかなかったです。私が三津谷(葉子)さん(演じるカオリ)の鼻から血を吸うんですけれど、現場では大変な事が多くて、エロいなという感じはなかったですが、映画を観ると、『なんかすごい素敵!』という日本人には表現できないようなエロさがあるシーンだなと思いました」と感想を述べた。桐山も、「なかなかない発想だよね!ストローっていうのもね!」と同意。監督は、17歳で性体験がないまま死んだミユキが、大人のカオリから経験を吸い取るという思いからできたシーンだそう。

 桐山は幽霊のミユキに「愛してる」ではなく「愛して」と言われますが、言われる側としては、違いはあるか聞かれ、「『愛して』ってなかなか言われたことはないっていう感じですね。すごくストレートだという印象。普通『あなたを愛してる』と言うけれど、『私を愛して』という表現方法も珍しいな、と新鮮に思いました」と撮影当時の感想を語った。

 桐山は、フランス人監督ならではの愛情表現のシーンに戸惑ったそう。ネタバレになるので詳しくは話せないとのことだが、「浜辺で転がります」と観客に意味深なヒントを与えた。

 最後に、桐山は、「こうやってたくさんのお客様に集まっていただき、すごく楽しみにしてもらっていたんだなと実感しています。肩の力を抜いて見てもらえると嬉しいです」、清水は、「フランス人によるホラーなんですけれど、解釈としては、ラブストーリーの方に重点を置いて観ていただきたいと思います。」とメッセージを送り、公開記念舞台挨拶は終了した。

映画『海の底からモナムール』

アップリンク吉祥寺にて公開中

出演:桐山漣 清水くるみ 三津谷葉子 前野朋哉 杉野希妃
ロナン・ジル監督作品 配給: アルミード
公式サイト:https://uminosoko-movie.com/

<あらすじ>
10年前、イジメに遭い、島の崖から飛び降りた女子高生・ミユキ(清水くるみ)は、「ただ愛されたい」という想いを抱き、17歳のままずっとこの瀬戸内海の浜にいる。

当時、ミユキが想いを寄せていたタクマ(桐山漣)は、同じく島出身のマツ(前野朋哉)に連れられ、それぞれの彼女・カオリ(三津谷葉子)とトモヨ(杉野希妃)と一緒に、卒業後初めて島に戻ることに。

その島では去年、かつて近所に住んでいた同級生のリカが溺れて死んでいた。「あの浜に行くな」と言う忠告を聞かず、浜でキャンプをする4人。夜、浜でミユキを見て、テントに駆け込むタクマ。海で泳いでいたカオリは、誰かに足を引っ張られ、危うく溺れそうに。果たして4人は、無事に帰京できるのか