高橋葉介原作の一話完結の怪奇ミステリー「夢幻紳士」。1980年代以来、掲載誌を変えながら連載を続け、高い人気を保ち続ける老舗シリーズだ。その世界が今回、映画になった。
監督・脚本・編集の海上ミサコは、13歳で「夢幻紳士」にハマり、思いが高じて映画化を企画。クラウドファンディングで資金の一部を募って完成させ、ロンドン国際フィルムメーカー・フェスティバルのコンペティション部門など国内外の映画祭に参加、昨年の福岡インディペンデント映画祭 2020では優秀作品賞を受賞した。
舞台は昭和初期の日本。「他人の心をみたり、他人に自由に夢をみせることができる」主人公の探偵・夢幻魔実也には皆木正純が扮し、木箱から発見された少女（物語の鍵を握る）に横尾かなが扮する。
その少女は、奉公先の女主人によって、自らを人形と思い込む暗示をかけられていた。彼女にいかに人間味を取り戻していくか、夢幻魔実也はどんな冴えたアイデアで苦境に立ち向かうのか。画像の色彩感覚も含めて、実にミステリアスでファンタジックな一作といえよう。
映画『夢幻紳士 人形地獄』
2021年6月26日(土) K’s cinemaほか全国順次ロードショー
出演：皆木正純、横尾かな、岡優美子、龍坐、紀那きりこ、杉山文雄、SARU、井上貴子、義 いち、山口美砂、森川陽月、山田歩 他
原作：高橋葉介「夢幻紳士 人形地獄」より 早川書房刊
編集・監督：海上ミサコ 脚本：木家下一裕、菅沼隆、佐東歩美、海上ミサコ
音楽：スズキケンタロー 撮影・照明：清井俊樹 録音・MA：田中秀樹 VFX・グレーディング：東海林毅 美術：郡司英雄 衣裳：立山功 ヘアメイク：松澤真弓（ＴＴＡ）、たなかあきら（ＴＴＡ） ヘアメイク応援：鎌田英子 総合応援：山岡加奈 監督補：菅沼隆 模型製作：電気蜥蜴 人形協力：アートマスターズスクール 他 プロデューサー：UNAPON 企画：佐東歩美 製作：ビーチウォーカーズコレクション 配給：ミカタ・エンタテインメント 宣伝：ムービー・アクト・プロジェクト
2018年/日本/90分/Color and B&W/stereo/16:9
（C）高橋葉介・早川書房・ビーチウォーカーズコレクション