目で、耳で、いや全身で体感したい映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』が、10月30日より公開。極上のサウンドに酔いしれたい

 第35回サンダンス映画祭ワールド・シネマ・ドラマ部門 審査員特別賞、第63回BFIロンドン映画祭 最優秀作品賞などに輝くコロンビア=アルゼンチン=オランダ=ドイツ=スウェーデン=ウルグアイ=スイス=デンマーク合作映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』が、10月30日から東京・渋谷シアター・イメージフォーラムほかでロードショーされる。監督・脚本・制作はアレハンドロ・ランデス。これが彼にとって3作目の監督作品にあたる。

 下敷きとなっているのは、南米・コロンビアで50年以上続いた内戦。主役は、世間から隔絶された山岳地帯で暮らすゲリラ組織の面々だ。“モノス”(猿)というコードネームのもと、8人の少年少女兵士が戦い、人質であるアメリカ人女性の監視と世話を担う。人格が形成される多感な時期に、恋だって堂々としたいだろうに、ひたすら戦うことを命じられ、仲間の死や裏切りを経験し……彼らはいつ味方が敵になるかわからない、気の休まることのない状況のなか、永遠にやってこない朝を待ち続けるような気分で毎日を過ごしていたのだろうか。

 モイセス・アリアスやジュリアンヌ・ニコルソンなど注目の俳優に加え、高地での過酷な訓練を経て選ばれたコロンビアの若者たち(ほとんどが演技未経験)、実際のゲリラ組織「FARC」の元戦闘員も登場。ロケーションは標高4300メートルの山頂、未開のジャングルで行われたというから、スタッフも含めてまさに命懸けのプロジェクトだったといっていいはずだ。

 加えて特筆すべきは「音質」と「音楽」だ。音質には、超ハイ・フィデリティと呼びたくなるほどのリアリティがある。そして音楽はシンガー・ソングライター“ミカチュー”としても知られるミカ・レヴィが担当。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』でアカデミー賞にノミネートされたこともある彼女のサウンドトラックが、作品の重さにあたたかな光を差し込んでいる。つまりこれは目と耳、いや、からだすべてで体感すべき映画なのだ。

映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』

10月30日 シアター・イメージフォーラムほか公開

監督・脚本・製作:アレハンドロ・ランデス
脚本:アレクシス・ドス・サントス
撮影:ヤスペル・ウルフ
編集:ヨルゴス・モヴロプサリディス
音楽:ミカ・レヴィ

出演:モイセス・アリアス、ジュリアンヌ・ニコルソン

2019年/コロンビア=アルゼンチン=オランダ=ドイツ=スウェーデン=ウルグアイ=スイス=デンマーク/スペイン語・英語/シネスコ/5.1ch/102分
原題:MONOS
字幕翻訳:平井かおり
提供:ザジフィルムズ、インターフィルム
配給:ザジフィルムズ
協力:ラテンビート映画祭

http://www.zaziefilms.com/monos/