スーパースター、セリーヌ・ディオンの半生を題材にした力作『ヴォイス・オブ・ラブ』。ヴィクトリア・シオの歌声も鳥肌ものだ!

 映画『タイタニック』主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」など数々の大ヒットを持ち、2億5000万枚のアルバム総売り上げを誇る大歌手セリーヌ・ディオンの半生をベースにした映画『ヴォイス・オブ・ラブ』が、12月24日(金)から東京・ヒューマントラスト有楽町、新宿武蔵野館、ヒューマントラスト渋谷ほかで全国ロードショーされる。

 監督・脚本・主演はすべて、フランスのスター、ヴァレリー・ルメルシエが担当。それだけで彼女のセリーヌに寄せる並外れた敬愛、一種ヲタ的なこだわりが伝わる。ただ役名はセリーヌではなく、“アリーヌ”となっている。

 カナダのフランス語圏の一家に14人兄弟の末っ子として生まれたところから始まり、幼少のころから歌の才能を発揮するところ、ベテラン・プロデューサーのギィ=クロードと出会って二人三脚で売り出していくところ、より幅広いマーケットに漕ぎ出すための歯列矯正と英語習得、「先生のような存在」から「恋愛対象」に変わっていくプロデューサーへの思い、スターダムへの上昇などが、実にテンポよく描かれていく。

 歌声は、これもセリーヌへの敬意を込めてだろう、あえて彼女自身の歌声を使わず、フランスで活躍する歌手ヴィクトリア・シオのパフォーマンスに吹き替えられている。このヴィクトリアの歌声がまた、感動的だ。彼女もまた、セリーヌを敬愛してやまないのだなということが、ひしひしと伝わってくる。なんでこんなに滑らかに音を上下できるんだ、なんでこんなぴったりと声を音程にあてることができるんだ、と、プロ歌手の技に恐れ入りながら、歌唱シーンに浸らせてもらった。

 亡くなった伝説的音楽家にオマージュを寄せた作品は数多いけれど、セリーヌは現役。この作品を観るかもしれないし、感想を述べるかもしれない。その緊張感(と喜び)も、映画制作陣のモチベーションを高めたはずだと、私は感じてやまないのである。

映画『ヴォイス・オブ・ラブ』

12月24日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷先行公開
12月31日(金)全国ロードショー

出演:ヴァレリー・ルメルシエ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ヴェジナ 他
監督・脚本:ヴァレリー・ルメルシエ
原題:Aline the voice of love
配給・宣伝:セテラ・インターナショナル
宣伝協力:竹田美智留、志村藍香(Ghost)
フランス・カナダ/フランス語・英語/2020年/126分/日本語字幕:齋藤敦子

(C)Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l’huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga

http://www.cetera.co.jp/voiceoflove/