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ハーク

  • 2025年6月4日

上級国民の優雅な趣味は、「人間狩り」であった―――要注目の「不快な一作」。『我来たり、我見たり、我勝利せり』

 億万長者・マイナート家の物語。この家にはとにかくカネがある。莫大な土地に城のような家を建て、使用人がうじゃうじゃいる中で、毎日の生活を送っている。まわりがヘコヘコして、こちらが何か妙なことをしても、勝手に責任をとってくれる。政治家とも癒着しまくり。世界が自分のために回っている感覚なのだろう。当然、 […]

  • 2025年3月6日

ディズニー大好きのベイリー監督が愛をこめて制作した“ミッキー史上初のホラー映画”『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』

 本編に入る前に、「ただし書き」というか、「イントロダクション」がある。これが無類に面白い。「我々がディズニーをいかにリスペクトしているか、それをわかってほしかったなあ」的な、アニメーション界でひときわ高い階級にいるであろう関係者に対する、さみしさ、皮肉、諧謔などが混ざり切ったような文章が、巧みに翻 […]

  • 2025年1月6日

人気俳優ワン・イーボーとホアン・ジンユーの共演作。名匠アンドリュー・ラウが製作総指揮『FPU ~若き勇者たち~』

 キャスティングが豪華だ。狙撃手・ヤンを演じる主演のワン・イーボーはボーイズグループ“UNIQ”の一員としてデビューし、ソロとしても1000万枚を超えるヒット・シングルを発表、2024年には主演映画『無名』『ボーン・トゥ・フライ』『熱烈』が日本公開された人気者。身体の切れ味も素晴らしい。準主役という […]

  • 2024年10月25日

ガラスの靴が凶器となる! 血が噴きあがり、内臓が飛び散る『ザ・リアル・シンデレラ』

 原題は『Cinderella’s Curse』。Curseとは、呪いという意味だ。あの、とても現実離れはしているけれど、ゆえにファンタジックにもロマンティックにも感じられるところもある古典『シンデレラ』に再検討を加え、残酷な部分をクローズアップして、温厚な言葉を使うとすれば現実的、より […]

  • 2024年3月28日

今をときめくフランスのパティシエ、ヤジッド本人が監修に携わった“サクセス・ストーリー”『パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~』

 ルイ・ヴィトンなどともコラボレートするフランスの現役パティシエ、ヤジッド・イシュムラエン(先ごろ来日して辻口博啓とのトークイベントを開催した)のサクセス・ストーリーを基にした一作。映画の役名もヤジッドという。かなりギスギスした環境の中で育たざるを得ず、法に触れることもしてしまうのだが、そんな彼にと […]

  • 2023年4月13日

200年前の物語であっても、人間の本質は変わらない。観る者を引き込む「上京あるある物語」を描く『幻滅』公開へ

 原作は、フランスの文豪オノレ・ド・バルザックが書いた小説「幻滅 メディア戦記」。物語の舞台は19世紀前半なので、ざっと200年前のストーリーだ。なのに、むちゃくちゃヴィヴィッドだ。とくに地方都市から大都会(東京でもニューヨークでもベルリンでも)にやってきた経験を持つ者なら、「あるある」の連続に、共 […]

  • 2023年4月11日

愛とはこんなに痛いものなのか! 3人の男による、激しくも抒情的な物語『マネーボーイズ』

 先日ご紹介した『美しい彼』とは、一種対照的な作品。情がぶつかりあい、思惑が飛び交い、ストーリーは一筋縄ではいかない。「あなたは、それでも人を信じることができるのか。愛する人のために、すべてを投げ出すことができるのか」と、問いを突きつけられているような気持になった。  そんなヘヴィーな作品が4月14 […]

  • 2022年3月30日

希望の光は誰にも奪えない。トランスジェンダーのリアルを描くブラジル映画『私はヴァレンティナ』

 2020年公開のブラジル映画が我が国でロードショーされる。それが4月1日から東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開の『私はヴァレンティナ』である。監督・脚本はカッシオ・ペレイラ・ドス・サントス。『秘密の学校』が「ショートショートフィルムフェスティバル&ア […]

  • 2021年4月19日

ネットが生み出す闇を描いたドキュメンタリー『SNS-少女たちの10日間-』,いよいよ日本公開

 ホラー映画ではないのに、猛烈な恐怖を感じた。原案:ヴィート・クルサーク、監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサークの“リアリティ・ショー映画”『SNS-少女たちの10日間-』が、4月23日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほかで公開される。おぞましいドキュ […]