別の視野を持つ女性との出会いが、彼の背中を押した。雄大な自然のなかで描かれる自分探しの物語『川のながれに』

 自然や人への愛がひしひしと伝わる一作だ。プロデューサーで俳優の川岡大次郎は、2016 年にテレビ番組の企画で那須塩原に期間限定で住んだ。すっかり魅せられた彼は、「なすしおばら映画祭」を立ち上げ、さらにその映画祭に向けて本作を制作した。2021 年にクロージングで上映された後、全国の劇場で公開したいとクラウドファンディングで資金を集め、全国公開も決定。11月11日(金)よりフォーラム那須塩原にて先行公開、11月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』にて順次公開される。

 市内に流れる「箒川(ほうきがわ)」で、SUP(スタンドアップパドル。オールを使って行うサーフィンといえばいいだろうか)のアウトドアガイドをしている君島賢司(松本享恭)が主人公。幼い頃に亡くした彼はしばらく母と二人で暮らしてきたが、その母も亡くなって一人きり。その後、新たに移住してきた森音葉(前田亜季)と出会い、ガイドをすることになるのだが、彼女は7年間も世界をめぐり、絵を描いてきたというキャリアの持ち主。

 音葉から刺激を受け、賢司の世界は大きく広がり、これまでの自分に疑問を持ち始める。ずっと塩原にいていいものか、と。賢司の葛藤と発見と開眼、もっとベタにいえば自分探しが、壮大な自然をたっぷりフィーチャーした画面の中で展開されていく。自分らしい生き方とはなにか、そこに真っ正面から向き合う賢司がまぶしい。

映画『川のながれに』

11月11日(金)より フォーラム那須塩原にて先行公開
11月25日(金)より 池袋シネマ・ロサ 他 全国順次公開

監督・脚本:杉山嘉一
プロデューサー:川岡大次郎 
キャスト:松本享恭 前田亜季 小柴カリン 大原梓 松本健太 安居剣一郎 林田麻里 森下ひさえ 三上市朗 青木崇高(友情出演) 音尾琢真(特別出演)
2021年/日本/ヴィスタ/5.1ch/105分
配給:株式会社コンセント
配給協力:SDP
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公式サイト
https://kawano-nagareni.com/