マイア・ミッチェルとカミラ・モローネ主演の青春ガールズムービー『Never Goin’ Back / ネバー・ゴーイン・バック』が、ついに日本公開

 2018年のサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でゲームチェンジャー賞にノミネートされた本作が遂に公開。「破天荒」といいたくなるストーリーだが、これは監督のオーガスティン・フリッゼル(すでに女優として十数年のキャリアを持つが、長編作品を監督するのは初めて)の実体験に基づく作品であるという。

 テキサス州ダラスで育った彼女は、15歳で両親に捨てられたも同然になり、友人と一緒にどうにか食いつないできた。そして映画監督のデヴィッド・ロウリーと出会い、結婚するのだが、ここで描かれているのは少女の頃の話だ。

 アンジェラとジェシーは、いつも一緒にいる親友どうし。共に高校を中退し、いまは男性2人と共同生活を送っている(だが部屋は別、男女の関係はない)。アルバイトに明け暮れてはいるがなかなかお金はたまらず、それどころか家賃を払うのも大変。だがジェシーの誕生日が近いことを知っているアンジェラは「せめてガルヴェストンの海に行って、ジェシーのバースデーをふたりで祝いたい」と、1週間分のリゾート用のチケットを購入する。ガルヴェストンはメキシコ湾がのぞめる都市。飛行機に乗ってロサンゼルスのビーチで……とかではなく、同じ州の街(ダラスからガルヴェストンは自動車で5時間ほど)というところがまた庶民的だ。

 「大金を前払いしたぶん、いぜんより一所懸命働けばいいや」と思ったのかもしれないが、ここから「漫画の世界か」といいたくなるぐらい、アンジェラとジェシーはいろんなアクシデントに遭遇する。怪力を使って鍵のかかった家に入り込む男たち、なぜかぶちこまれてしまった刑務所での数十時間、スーパーマーケットでふたりの服装や行動について声をあげて非難する初老の体の大きな男。この男もまた、個人的には物語の鍵を握る人物であると感じた。

 Fワードはガンガン出てくるし、“ピューク”という言葉も久しぶりに聞いた。でも地方都市の落ちこぼれ青年少女の日常など、上品であるわけがないのだ。主演はマイア・ミッチェルとカミラ・モローネ。カミラはアル・パチーノの継娘であり、レオナルド・ディカプリオと恋仲を伝えられたこともあった。12月16日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。

映画『Never Goin’ Back / ネバー・ゴーイン・バック』

12月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開

監督:オーガスティン・フリッゼル
出演:マイア・ミッチェル、カミラ・モローネ、カイル・ムーニー、ジョエル・アレン、ケンダル・スミス、マシュー・ホルコム、アティーナ・フリッツェル
配給:REGENTS 提供:REGENTS、AMGエンタテインメント
【2018年/ アメリカ / 英語 / 86分 / カラー / シネスコ/ 5.1ch / 原題:Never Goin’ Back / 日本語字幕:安本 熙生】
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公式サイト
https://nevergoinback.jp/