舞台『通勤急行大爆破～Mind the GAP～』が上演開始。演出担当・細川氏のこだわりが凝縮された賑やかな展開

　feather stageの最新舞台『通勤急行大爆破～Mind the GAP～』が、本日5月24日（水）より、池袋のシアターKASSAIにて開幕した。本作は2021年、コロナ禍の真っただ中に初演された作品の再演であり、それが落ち着いた今の状況を反映しつつも、演出・脚本を手掛けた細川博司氏のさらに熱い想いを詰め込み、パワーアップした展開で進む群像劇だ。

●初演の模様はコチラ

　冒頭部分の展開は大きく変わり、そこで語られる内容は、伏線……と言えなくもないが、後段を観劇するのに、すっかり忘れてしまって大丈夫だろう。細川氏が前作『魔銃ドナー巫』で魅せた厨二病をより熟成させたかのような展開（一見では、全体像の把握が難しい……）が待っており、2度、3度と観劇することで、氏が詰め込んだ細部の展開が、より理解できるようになるかもしれない。

　さて、おおまかなストーリーは前作を踏襲しており、違いと言えば、当時（2021年）はキャストが着用していたフェイスシールドがないこと、客席を隔てていたビニールがないこと、だろうか。コロナ禍を経て、徐々にかつての日常を取り戻しつつあるいま、毎朝の満員の通勤電車で押しつぶされている4人の女性。一人は三船永遠（七海とろろ）、一人は渥美清子（高橋紗妃）、一人は稲葉浩子（長谷川麻由）、そしてもう一人は……。

　そんな3人（＋1）に、刑事・津島（もりしまお）、その相棒・相葉（工藤ひなき）、駅員・早坂（柴田茉莉）などなど、ひと癖も二癖もあるキャラクターが寄り添い、思いもしない方向へと物語は進んでいく。上演は5月28日まで。ここでは、ゲネプロ後に行われた会見の模様を紹介したい。

七海とろろ（三船永遠役）
無事に「通勤急行大爆破」のゲネプロが終了いたしました。約2週間という短い期間の中での稽古を通して、みんなで一所懸命グッと集中して、良い作品を積み上げていくことができました。演出の細川さん、スタッフの皆さんはじめ、座組一堂、みんなで元気に最後まで、急行なだけに駆け抜けたいと思います。皆さんご乗車をお待ちしております。

高橋紗妃（渥美清子役）
本日から初日ということで、場当たり、ゲネともに、転換が多い割にはすごくスムーズに終えることができました。皆でちょっとずつ積み上げてきたものがこうしてステージに現れたんじゃないかなと思っています。とてもいい雰囲気でゲネを終えられたと思いますので、とろろさんも話していたように、通勤急行なのでノンストップで千秋楽まで、皆でガッと駆け抜けて行きたいと思っています。応援、よろしくお願いいたします。

沖田桃果（橋本偲役）
前作から引き続き出演させていただいている組なんですけど、前回はコロナ禍もあって、フェイスシールを着けて、なかなかに窮屈な感じでやっていましたけど、今回はそのコロナも落ち着き、フェイスシールドもなくなって、超開放的にお芝居ができているので、とても楽しい気持ちです。キャストの皆さんの力と脚本・演出の細川さんのお陰で、増し増しなお芝居ができています。頑張ります。

長谷川麻由（稲葉浩子役）
前回と同じ役をやらせていただいております。稲葉に関しては演出的にちょっと変わった部分はありますけど、橋本役の沖田さんとは、前回は組が違ったので（オールWキャストだった）、直接、稲葉と橋本として舞台上で共演するのは初めてなので、また新しい化学反応が起きて、それが徐々に大きくなっているように感じています。冒頭のシーンから全く新しくなっていたり、音響・照明・セットもガラッと変わっているので、また新たな作品として楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。ご来場、お待ちしております。

須山朱里（中井梓役）
今回、私が中井を演じるにあたって、細川さんが新しく追加してくれたシーンもありますので、初演を見た方も、変わってない部分、変わった部分、どちらも楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。あと、ダブルキャストで平塚あみさんもいるので、今ここにいる全員とあみちゃんを合わせて、全員で駆け抜けて行けたらいいなと思います。お待ちしております。

細川博司（脚本・演出）
毎日、一所懸命に働いていているであろうお客さまに、心を込めて作りました。ちょっとでも癒しになればと思っています。若いキャストが一所懸命にやってくれています。ぜひご覧いただいて、「明日からも頑張るか、しんどいけど」って思ってもらえたらすごくありがたいです。座組一同、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

※ステージ写真は後日アップします。

※5/25更新　ステージ写真追加しました