まさに熱血、まさにド迫力。中国が放つ最新鋭レスキュー・アクション作品『フラッシュオーバー 炎の消防隊』

 実にドラマティックなヒーローものだ。消防隊員が実に勇ましい。自己犠牲を問わず職務をまっとうすることの美しさ、正義を行くことに対する一点の曇りのなさ、筋を通すことのかっこよさを、実にストレートに描いている。斜に構えたようなところがないから、とにかくスカッとする。

 江東省灌城市でマグニチュード3.1の地震が発生したことが、大いなる試練の始まりだった。日頃から鍛えられている消防隊員はプロフェッショナリズムを発揮し、危険物を積んだタンクローリーの衝突事故などを鎮静化させたが、化学工場で爆発事故が起こってしまう。しかもこれは周囲の団地へと引火し、住居や公共施設までを巻き込む事故となった。すさまじい熱や爆風がこちらまで伝わってきそうなほど迫力のある画面作りと音質、すさまじい形相で収束にあたる隊員の姿は、文句なしに手に汗握らせる。

 そしてここに「愛」の要素をもりこんだのも、この映画の奥深さだ。隊員のひとり、ジャオの婚約者は教師で、半壊した後者に生徒と共に閉じ込められていた。ジャオは婚約者を、生徒を助けることができるのか、そして自らも無事に帰還できるのか。阿鼻叫喚の中で、ほんの何パーセントの確率に、それでも運命を賭ける男の美しさを、私はここに見た。出演はドゥー・ジアン、ワン・チエンユエン、トン・リーヤーほか、監督は弟のダニー・パンとのコンビでも知られるオキサイド・パン。

映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』

10月6日(金)より全国ロードショー
配給: アルバトロス・フィルム 
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公式サイト
https://flashover-movie.com/