あくまでもスタイリッシュに、だが燃えるところは燃える。2024年の「熱血バスケ」が描かれる。『リバウンド』

 努力・青春・勝利といった言葉が似合う一作だ。ちょっと斜に構えて観始めたとしてもそのうち、登場人物たちの、まっすぐな、自分の可能性をただ信じるのみな言動に、心の奥が熱くなっていくはずだ。

 ストーリーも、実にストレートである。高校の、弱くて弱くて廃部寸前のバスケットボール部に、ヤンという男がコーチとしてやってくる。バスケ選手の経験があるとはいえ、コーチとしては指導経験を持たない新人。部員たちと一緒になって試行錯誤の日々だが、彼も部員もバスケ愛には溢れている。どうにか試合を行う日がやってきたものの、相手はなんと高校バスケの最強チーム。もちろん負けるのだが、そこからの努力具合、挽回具合はまさに圧巻。

 とはいっても現代の映画であるから、熱血一本やりでも、根性炸裂でもない。あくまでもスタイリッシュに、だが燃えるところは燃える。選手役も人気ボーカルグループ「2AM」のメンバーなど、スマートな面々が揃っており、そのあたりも韓国本国でのヒットにつながったのだろう。舞台は釜山なのだが、「ソウルに負けてなるものか」的な意地をにじませるとこもあり、そこも興味深かった。

 趣向に富んだ試合中のカメラ・ワークも含め、見どころは実に多い。監督チャン・ハンジュン、脚本キム・ウニ。題名の“リバウンド“とはミスをチャンスに変え、失敗を成功に導くことであるという。

映画『リバウンド』

4月26日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー

監督:チャン・ハンジュン 脚本:クォン・ソンフィ キム・ウニ
製作:NEXON Korea Corporation 制作:B.A. ENTERTAINMENT,WALKHOUSECOMPANY
2023年/韓国/韓国語/122分/カラー/16:9 シネマスコープサイズ/5.1ch/英題:REBOUND/字幕:根本理恵/一般映画
配給: KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス 提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIE WALKER PRESS KOREA
(C) 2023 NEXON Korea Corporation, B.A. ENTERTAINMENT, WALKHOUSECOMPANY ALL RIGHTS RESERVED

公式サイト
https://rebound-movie.jp/index.html