映画『マーズ・エクスプレス』、23世紀の火星、人間とロボットが共存する毎日の間で何かが起こる

 大友克洋監督『AKIRA』、押井守監督『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、今 敏監督『パプリカ』など日本アニメーションからもインスピレーションを受けたと伝えられるフランス産のアニメ映画『マーズ・エクスプレス』が、ついに1月30日から全国公開される。第52回アニー賞長編インディペンデント作品賞ノミネート、第76回カンヌ国際映画祭公式招待、アヌシー国際アニメーション映画祭2023長編コンペティション部門選出など高い評価を得る一作だ。

 物語の舞台は西暦2200年、つまり23世紀。よその話でいえば「ドラえもん」の誕生(2112年)よりも後のこととなる。地球での仕事を終え、火星に戻ってきた私立探偵アリーヌが、アンドロイドの相棒と共に、行方不明の女性を探すことがモチーフになる。やがて両者は火星の首都に赴くのだが、そこで目撃したのは、まさしく社会のダークサイド。これまで仲良くやってきたはずの人間とロボットの関係にもヒビが入りかねない、おぞましい出来事の数々だ。

 生臭い部分も相当に注ぎ込まれた人間ドラマであり、そこを私は興味深く感じた。設定は23世紀なので、つまり今生きている我々がその時を見届ける可能性などまったくないのだから、それをいいことに、いくらでも突拍子もない方向へ映画を製作していくことも選択肢としてはあっただろう。が、現代の地球とのコネクトを、なによりも制作者側は重んじたのでは、というのが個人的な印象だ。私はこの映画を通じて、地球が23世紀になっても存続していたことに安心し、まだ言語を使ってコミュニケーションしているのかとも思った。

 監督は、これが長編デビューとなるジェレミー・ペラン。最新の宇宙研究を踏まえて、渾身のオリジナルストーリーを描いたという。声の出演は吹替版が佐古真弓、安元洋貴、内田夕夜、三瓶由布子、字幕版はレア・ドリュッケール、マチュー・アマルリック、ダニエル・ンジョ・ロベ、マリー・ブーヴェ。

映画『マーズ・エクスプレス』

2026年1月30日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

声の出演
(吹替版):佐古真弓、安元洋貴、内田夕夜、三瓶由布子
(字幕版):レア・ドリュッケール、マチュー・アマルリック、ダニエル・ンジョ・ロベ、マリー・ブーヴェ

監督:ジェレミー・ペラン
原題:MARS EXPRESS|2023|フランス|89分|カラー|ユニビジウム|5.1ch|翻訳:横井和子|映倫:G
提供:トムス・エンタテインメント
配給:ハーク/トムス・エンタテインメント

公式サイト
https://marsexpress.jp/