お母さんに親孝行をしたい! 40年間のタイムスリップが生み出したロマンティック・コメディ『こんにちは、私のお母さん』

 「2021年中国興行収入第1位」、「中国歴代興行収入第2位」に輝いたヒット映画が1月7日からTOHOシネマズシャンテ、池袋HUMAXシネマズなどで全国ロードショーされる。監督・脚本・主演をすべてジア・リンがこなした力作『こんにちは、私のお母さん』だ。ジア・リンと亡き母との実話をベースにした内容とのことである。

 笑えて、泣けるタイムスリップものといえばいいか。主人公のジア・シャオリンは小さい頃から食欲旺盛、体格も良くて健康そのものだが、肝心のところでコケ気味になってしまう気弱なところがある。成績も決して良くはない。そんな彼女を暖かく見守るのが母のリ・ホワンインだった。パーティーの帰り道(なんのパーティーだったかは本編をご覧ください)、ジアと母が会話を交わしていると、予期せぬタイミングで自動車が飛び込んできた。

 ジアが再び目覚めた時、そこは1981年だった。ここから話の深みが加速する。とあるアクシデントから、ジアは若き日の母と出会ってしまう。このとき、ジアは確かに1981年にいたが、意識は事故前の「現在」のまま。「今度こそ親孝行をしたい、母ができずに後悔していたことをさせてあげたい」と奮闘するのだが、もちろん当時のリ・ホワンインは独身の若い女性で、2020年代に自分がどうなっているかなど予想すべくもない。

 未来を知ってしまっている将来の娘ジア・シャオリンと、いまここにある毎日を青春モードで生きているリ・ホワンインが、時間軸のずれを感じつつも、どんどん密接になっていくあたりの、キメ細かな描写に惹かれた。劇中、ほぼ三枚目を通したジアの多彩な声使いや顔芸にも注目したい。

映画『こんにちは、私のお母さん』

2022年1月7日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

監督・脚本:ジア・リン
出演:ジア・リン、チャン・シャオフェイ、シェン・トン、チェン・フー、リウ・ジア
配給:Tiger Pictures Entertainment、ハーク
配給協力:EACH TIME
【2021年/中国映画/中国語/128分/カラー・モノクロ/シネマスコープ/5.1chデジタル/字幕翻訳:本多由枝】
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