あらゆるバリアーを超えて集まった“はみだし者”たちが、伝説の男をを強引(?)に迎えて壮大な作戦を開始する映画『ザ・ミスフィッツ』

 タイトルは“はみだし者”“適合できない者”というニュアンスだろうか。だが、そのはみだし者たち、さらにいえば世代も肌の色も性別も異なる者たちがひとつの目的のために出会い、互いへの理解をだんだん進めていきながら“こと”に臨んでいく過程が実にスリリングだ。さまざまなバックグラウンドを持つ者を集めた筋金入りの犯罪プロ集団でありながら、恵まれないひとへの優しい視点を持っているあたり、ぼくは「ルパン三世」をも思い浮かべた。

 この映画で“ミスフィッツ”が狙うのは、凶悪テロリストの資金源となっている大量の金塊。目的を成就するには、よりパワフルなラインナップが求められる。そこで、他流試合を行わない伝説の男・リチャード・ペイス(ピアース・ブロスナン。5代目ジェームス・ボンドとしても知られていよう)を強引に誘い、ドバイの砂漠にある刑務所に隠されている金塊奪取に向けて動き始める。集団行動に慣れていない一匹狼リチャードの心模様も、もちろんしっかり描かれているし、驚きの“親子関係”もストーリーにスパイスを加える。

 監督は、『ダイ・ハード2』『クリフハンガー』『ドリヴン』などを手掛けたレニー・ハーリン。砂漠のシーンには度肝を抜かれた。ぜひ大スクリーンで“盗賊エンタテインメント”の迫力に溺れてほしい。1月21日から全国ロードショー。

映画『ザ・ミスフィッツ』

2022年1月21日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

監督:レニー・ハーリン
脚本:カート・ウィマー、ロバート・ヘニー
編集:コリーン・ラファティ
音楽:ラッセ・エネルセン、トレヴァー・ラビン
出演:ピアース・ブロスナン、マイク・アンジェロ、ハーマイオニー・コーフィールド、ジェイミー・チャン、ティム・ロス、ニック・キャノン
2021年|アメリカ|カラー|シネスコ|5.1ch|95分|英語ほか|日本語字幕:髙橋彩|原題:THE MISFITS|レイティング:PG12
配給:クロックワークス
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https://klockworx-v.com/misfits/
https://youtu.be/L0h2gAoIWgs