ユナ(少女時代)も好演。韓国初の私設駅「両元(ヤンウォン)駅」をモチーフにした物語『手紙と線路と小さな奇跡』

 『手紙と線路と小さな奇跡』は、ほのぼのとシリアス、出会いと別れ、大都会と田舎、韓国と米国、いろんな対比が歯切れよく描かれた作品だ。

 主人公のジュンギョン(パク・ジョンミン)は、天才的な数学の才能を持つ高校生。彼は往復5時間かけて村から通学している。しかも線路の上を歩くという、大変な危険をおかして。それはなぜか。村には駅も道路もないからだ。

 そこで彼は考えた。駅をつくってもらうように動こう。得意の数学に磨きをかけて、高校生クイズのテレビに出て、大統領賞を獲って、村の交通事情を知ってもらおう。やはり成績優秀のクラスメイトのラヒと共に、勉強の日々が始まる。さまざまな過程を経て、ついに韓国初の私設駅であるという「両元(ヤンウォン)駅」が誕生するのだが、その間に機関士である父との対立をはじめ、さまざまな人間模様が描かれる。

 当初すごくおとなしかったジョンギュンが、めちゃくちゃ気の強いラヒ(少女時代のイム・ユナが扮する)に触発されてどんどんスケールを増していくあたり、そして姉ボギョン(イ・スギョン)の「実は彼のことを好きなんじゃないか」的、一種の重さを伴っての弟ジュンギョンへの接し方も実に興味深かった。いろんな伏線が集約されて、さらに加速していく後半の展開がとにかく熱い。監督はイ・ジャンフン、4月29日から東京・シネマート新宿ほか全国公開。

映画『手紙と線路と小さな奇跡』

4月29日より、シネマート新宿ほか 順次公開

監督:イ・ジャンフン
出演:パク・ジョンミン、イ・ソンミン、イム・ユナ、イ・スギョン、チョン・ムンソン
2021年/韓国/117分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:小西朋子/英題:Miracle:letters to the President/PG12
配給:クロックワークス
(C)2021 LOTTE ENTERTAINMENT & BLOSSOM PICTURES CO.,LTD.All Rights Reserved.

公式サイト