映画『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』、薬物で破滅していく親子。アロノフスキー、2000年の傑作が4K上映

 登場人物の誰も幸せにならない一作といえばいいか。やるせない気持ちになるが、同時に「このリアルから目を背けてはいけないのだ」とも思う。原作はヒューバート・セルビーJr.、監督はダーレン・アロノフスキー、脚本はふたりで手掛けた。

 たぶん、根はいい人であろう母と息子の物語。母はコニーアイランドに住み、息子はマンハッタンで、母に偽りながら「とある仕事」をしている。一種の「テレビ中毒」である母のもとに一本の電話がかかってくる。テレビ番組のスタッフからの出演依頼だ。具体的な日程は事後報告だとしても、とにかく出演の“内定”を心に刻んだ母は、お気に入りのドレスをまた着こなせるようにしたく、ハードなダイエットに入る。朝、昼、夜、寝る前と、処方された色の違う薬をとにかく飲んで、どんどんやせていこうというのだ。確かに体重は落ちたが、目はらんらんとし、肌の艶はなくなり、行動に落ち着きがなくなった。その異変にいち早く気づいたのが息子だ——-なぜか? 「職業柄」である。

 詳述は避けるが、3つのモチーフが交互に現れて、大きなうねりを生み出している作品だと感じられた。サウンドトラックに、アメリカ屈指の冒険的な音楽性を持つ弦楽四重奏であるクロノス・カルテットが起用されているのも、不気味さを増す。薬物が体に入っていくシーンは、鮮烈な音や画面割りと共に描かれていて、私は特に「瞳孔がパッとなる描写」に怖さを感じた。出演はエレン・バースティン、ジャレッド・レト、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ等。

映画『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』

2026年2月6日(金)より新宿武蔵野館 ほかにて全国順次公開

<Cast>
エレン・バースティン、ジャレッド・レト、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ

<Staff>
監督:ダーレン・アロノフスキー 脚本:ヒューバート・セルビーJr.、ダーレン・アロノフスキー 原作:ヒューバート・セルビーJr. 配給:クロックワークス
2000年製作|アメリカ|102分|英語|ビスタ|
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公式サイト
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