この狂気はリアルだ! 暗黒の実話をベースにした映画『ロード・オブ・カオス』がいよいよ公開

 実話をもとにした、あまりにもすさまじい映画だ。どこから説明していいのか、すさまじすぎて迷うしかない。それほどのすさまじさがある。

 舞台は1987年のノルウェー・オスロまでさかのぼる。19歳のギタリストであるユーロニモスは、ヴォーカリストのデッドらと共にブラック・メタル・バンド“メイヘム”を結成した。死こそ究極のエクスタシーと感じたのだろうか、デッドはやがて死に直行する。ユーロニモスは現場写真を撮影し(のちにアルバムのジャケットに使われた)、頭蓋骨の一部をネックレスにして、“こんなにヤバい奴が自分のバンドにいたんだ”と、そのカリスマ性を知らしめていく。

 間もなくユーロニモスは自身のレコード店「ヘルヴェテ(地獄)」を開き、そこに集まるヤバいやつらのボス的存在になる。出会った当初こそスコーピオンズに熱中して鼻で笑われていたヴァーグも急激にヤバさとダークネスを増し、音楽の才能もしっかりあったので、いつしかユーロニモスをビビらせるまでに。物語の後半ではユーロニモスとヴァーグの確執が強く描かれる。教会放火など屁でもないヴァーグにとって、ユーロニモスを血まみれにすることなんてなんの問題もない。

 繰り返すが、これは実話をもとにしている。ヴァーグが今どうしているかはウィキペディアなどを見ると分かるし、メイヘムは1984年に加入したベーシストのネクロブッチャーらが受け継いで今も活動する(4度来日)。

 監督はメタル・バンド“バソリー”のドラマーから映像畑に転じ、マドンナやポール・マッカートニーの作品も手掛けるジョナス・アカーランド。ユーロニモスにはロリー・カルキン(マコーレー・カルキンの弟)、ヴァーグにはエモリ―・コーエン、デッドにはジャック・キルマー(ヴァル・キルマーの息子)が扮した。音楽はアイルランドが生んだポスト・ロックの世界的グループ、シガー・ロスが手掛けている。3月26日からシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにてロードショー。

映画『ロード・オブ・カオス』

3月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにてロードショー! 以降順次公開

出演:ロリー・カルキン(ユーロニモス)、エモリー・コーエン(ヴァーグ)、ジャック・キルマー(デッド)、スカイ・フェレイラ(アンマリー)、ヴォルター・スカルスガルド(ファウスト)
監督・脚本:ジョナス・アカーランド(『SPUN/スパン』)
脚本:デニース・マグナソン(『孤島の王』)
原作:『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』(著:マイケル・モイニハン、ディードリック・ソーデリンド)
音楽:シガー・ロス(『バニラ・スカイ』)
撮影:パー・M・エクバーグ(『ポーラー狙われた暗殺者』)
編集:リカード・クランツ
原題:LORDS OF CHAOS|2018年|イギリス・スウェーデン・ノルウェー合作
アメリカンビスタ|117分|R18+|字幕監修:川嶋未来(SIGH)|アドバイザー:増田勇一
配給・宣伝:AMGエンタテインメント、SPACE SHOWER FILMS
提供:AMGエンタテインメント
(C)2018 Fox Vice Films Holdings, LLC and VICE Media LLC

https://lordsofchaos.jp/