「ミライスカート+」、好評の東京ワンマン・ライブ・シリーズ、3月分はレアな楽曲に光を当てた“こだわりのステージ”。ミラスカ加入前の“冬ソング”も披露

 京都を拠点とする児島真理奈のソロユニット、ミライスカート+(プラス)が3月14日(日)、東京・下北沢LIVEHOLICでワンマンライブ「おいでやす!ギュッとミライスカート+ vol.2 ~東京レア曲祭り!~」を開催した。天気は快晴、外は20度ほどの暖かさ。大雨だった前日とは正反対だ。

 “このようなセットリストは今日が最初で最後かもしれない。関西でもやったことがありません”と児島みずから語るように、対バンライブではあまり披露する機会のない曲、音源がまだ出ていない曲などを中心とした、しかしさすがミラスカと呼びたくなるようなハイレベルな楽曲のラインナップ。この日のステージをあえてアナログ盤にたとえるならば(ミラスカが出しているのはCDだが)、B面曲ばかりを集めたような感じといえばいいだろうか。だがビートルズにしてもドアーズにしてもB面にはB面のおいしさがある。いろんなライヴやCDでミラスカを聴きこんできたファンは思いっきりマニア心をくすぐられたであろうし、最近ファンになった方は“こんな趣きの曲もあるのか”と、ますます興味が深まったに違いない。

 オープニングは「1秒前のシンデレラ」。4人時代のミラスカの曲なので、当然ながら4人で歌うことを前提に作られている。ひとりで全部歌おうとするとブレスの場所がとれなくて卒倒してしまうかもしれない。児島真理奈はオケ(伴奏)に入っている歌声を巧みに使い、4人時代の雰囲気を残しつつ、ソロ・ナンバーとしても聴きごたえのある内容に仕上げていた。続く「ハンナリ★スター」、「Melody」、「ギ・ミ・ユ・ラ」も、それは同様だ。

 ソロとして再始動してからの曲は、まず「Mirror Ball」(タイトル通り、場内でミラーボールが輝いた)と、早くも夏の到来が待ち遠しくなる「ハナビ」が歌われた。さらに登場したのは、それ以上のレア度を誇る「児島エンターテインメント社歌」。この会社は、今は株式会社aoi loco festaに進化したため、二度と生では聴けないと思っていたひとも多いのではないかと思う(そもそも関西でも、ほぼライヴで歌われていない)。だがオーディエンスはしっかり曲調に合わせ、見事な手拍子や振りを入れる。

 次の曲がまたまた驚かせてくれた。曲名は「ゲレンデマジック」、なんと児島真理奈がミライスカートに関わる前、ハチ・ハチ北Girlsに在籍していた2013年にリリースされたナンバーだ。MCで語ったところによると、このユニットで歌っていたとき、ミライスカートの当時のマネージャーの目に留まり、移籍することになったのだという。サビ以降のメロディ・ラインに、児島加入後のミラスカ(それまではテクノ・ポップ系大学生デュオだった)のデビュー・シングル「ナモナイオト」と共通した響きを感じたのは自分だけではないと思う。さらに近年の楽曲から、田中食品のふりかけ大使就任記念曲(といっていいだろう)「旅行の友」も歌唱。パラパラを取り入れた振り付けは、ふりかけをパラパラかける行為と関連付けてのものだろうか。

 さらにディスク化されていない曲として「ミーゴ!ゴミーゴ!」、「コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ」(2015年当時の、EDM熱を感じさせる楽曲だ)が続き、昨年秋にリリースされたアルバム『C3Tones』(シーキューブドトーンズ)からは「カガヤクイノチ」、ポンポンを手にしたダンスも印象的な「99%」を披露。後半、さらに「逆境ガール」、「おねがい」、アンコールの「千年少女~Tin Ton de Schon~」をたたみかけた。

 今回も音楽にしゃべり(背筋が凍るような心霊体験のトークも聴けた)に、サービス精神たっぷりのひとときを提供したミライスカート+。次回の東京ワンマンは4月9日(金曜)、東京・下北沢LIVEHOLICで開催。またホームグラウンドである京都・CLUB METROでのワンマンも4月18日(日)に決定した。

ミライスカート+公式 https://www.miraiskirtplus.com/
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