アジア気鋭女優の競演の『ソウルメイト』。永遠の友情は存在するのか、それを切り裂くものがあるとしたら何か? 5年の歳月を経て遂に日本公開

 第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作品『少年の君』の監督として注目を浴びるデレク・ツァン、その若き日の単独監督デビュー作にあたる『ソウルメイト/七月と安生』が6月25日(金)から東京・新宿武蔵野館ほか全国公開される。

 タイトルに記されているように、七月(チーユエ)と安生(アンシェン)は心の友だ。意外なきっかけで知り合い、まるで出会うことが運命だったかのように意気投合、かなり危険な恋をしたり、それぞれ異なる地に移住したり、大喧嘩をしたり、空白の時間をおきながらも、それでも友情は続いていく。

 七月はまじめで、安生は自由奔放にふるまうキャラクター……に見えるが、そんなにシンプルにはいかない。舞台は現代であり、原作は同名のネット小説(1本の長編としてはもちろん、ショート・ショートの集まりと解釈することも可能だろう)。映画物語の定番メニューのひとつ「友情もの、青春もの」に、こんなに“いま”のテイストが注がれていて、そうでありながら根本にはしっかり“普遍”がある、このバランスが快い。個人的にはエイミー・ワインハウスやジミ・ヘンドリックスを思い起こす瞬間もあったが、皆さんが何を思い起こすか、いろんなひとにいろんなイマジネーションを喚起することだろう。

 「香港のアカデミー賞」といわれる香港電影金像奨では12部門にノミネートされ(作曲賞受賞)、やはりアジアを代表する映画賞である「金馬奨」ではアンシェン役のチョウ・ドンユイ(『少年の君』にも出た)、チーユエ役のマー・スーチュンが主演女優賞をW受賞。まさに話題作である。

映画『ソウルメイト/七月と安生』

6月25日(金)より新宿武蔵野館ほかロードショー

監督:デレク・ツァン(曾國祥)
主演:チョウ・ドンユイ(周冬雨)、マー・スーチュン(馬思純)
2016年/中国・香港/中国語/110分/字幕翻訳:神部明世/原題:七月與安生/英題:SOUL MATE/レイティング:G
配給:クロックワークス/協力:大阪アジアン映画祭
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予告:https://youtu.be/qSiA7xZ8gsM