- 2024年11月29日
『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督の最新作。豪華キャストによる痛快なクライムエンターテインメント『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
一大エンタテインメント作品だ。そして「良い人」と「悪い人」の違いなど本当に紙一重で、場を流れる空気や立場によって、そんなものはあっという間に切り替わるものなのだということも伝えてくれる。動き、セリフともにヴィヴィッドで、なんというか、鮮やかな色のついた「動く劇画」を見ているような気分も覚えた。前半 […]
一大エンタテインメント作品だ。そして「良い人」と「悪い人」の違いなど本当に紙一重で、場を流れる空気や立場によって、そんなものはあっという間に切り替わるものなのだということも伝えてくれる。動き、セリフともにヴィヴィッドで、なんというか、鮮やかな色のついた「動く劇画」を見ているような気分も覚えた。前半 […]
谷崎潤一郎といえば『痴人の愛』、『痴人の愛』といえば谷崎潤一郎というところがあるのではないか。なんといってもネーミングが良い。「痴人」と「愛」のマリアージュなど、ふつう考えつかない。ただ、実際にそれを読んだことがある、いま生きている人がどのくらいいるか。私は増村保造監督の映画『痴人の愛』(1967 […]
人気シリーズの第3弾。前作『テリファー 終わらない惨劇』は、全世界で1570万ドルの収益をたたき出したという。「嘔吐、失神者が続出したことで話題となった」ともあるが、この最新作『テリファー 聖夜の悪夢』を観ても、それは納得できる。なんというか、アート・ザ・クラウンというキャラクター自体が嘔吐級の恐怖 […]
『監督ミケーレ黄金の夢』、『親愛なる日記』などで高く評価されるベテラン、ナンニ・モレッティ監督の半世紀に及ぶキャリアの集大成との声も高い一作。原題は『A Brighter Tomorrow』という。希望の明日、といったところか。 そしてこの映画では、モレッティ自身がベテランの映画監督・ジョヴァン […]
スペインやシンガポールからもやってきたスタッフと制作し、ニューヨークでも上映されて喝采を浴びたという一作。さてはどんなグローバルな内容なのかと思ってみたが、これが実は相当に「ローカル」かつ「トラディショナル」なモチーフ。そこに生きている者ならばいつか直面しなければならない問題「死」をぶつけてきて、 […]
じわじわと怖さが迫る。異様な目の色や鮮血もそれなりにショッキングだが、この映画でいちばん恐怖を抱かせるのは「得体のしれない何かに徐々に巻き込まれていき、しまいには後戻りできなさそうな場所にまで行ってしまう人間の心理」ではないかと、私は感じた。加えて、いささか寓話めいた展開に「明日は我が身であっても […]
アメリカ首都・ワシントンDCときいて、あなたは何を思い起こすだろうか? ホワイトハウスだろうか、ワシントン大聖堂だろうか、桜の花だろうか? 同地はまた、パンク・ロックの都のひとつであった。1980年代のパンク・シーンに迫る名作ドキュメンタリー映画『SALAD DAYS』(監督;スコット・クロフォー […]
父と母は「どうにも同世代の子とは様子が違うなあ」と、10歳の息子・ジェイソンについて思っていた。ふと診断を受けさせたところ、「自閉症スペクトラム障害」であることがわかった。彼には自分だけの特別なこだわりがあり、それを他者に乱されるとパニックになってしまうのだ。が、そのこだわりは、他者にとっては取る […]
主人公の“ネネ”は、パリ郊外の団地で育った12歳の少女。この映画コーナーでも何回か触れた“バンリュー”の住民かもしれない。つまり彼女の住む「パリ」の空の下には、セーヌ川は流れていない。 とにかくダンスが大好きで、そのダンサーがどんな肌をしていようと良いと感じるものには敬意を寄せて、そのダンスがヨ […]
1995年度のアカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされた、味わい深い一作が4Kデジタル・リマスター版として日本上映されることになった。まだこの作品をご覧になっていない方も、テーマソングのメロディを聴いたことはあるのではなかろうか。作曲家ルイス・エンリケス・バカロフのメロディが、ふたりの男性 […]