- 2025年2月1日
映画が、映画館が、ある男の人生をこんなにも豊かなものにした。シネマ・ラヴァー必見。『映画を愛する君へ』
映画に魅入られた人であれば――この映画をそうではない人が観に行くとも思えないが――、思わず「そうそう、そうなんだよ!」と膝を叩きたくなるに違いない。監督・脚本は、1960年フランス生まれのアルノー・デプレシャン。ここでは、彼の溢れんばかりの映画愛が、ポール・デダリュスというキャラクターに投影されて […]
映画に魅入られた人であれば――この映画をそうではない人が観に行くとも思えないが――、思わず「そうそう、そうなんだよ!」と膝を叩きたくなるに違いない。監督・脚本は、1960年フランス生まれのアルノー・デプレシャン。ここでは、彼の溢れんばかりの映画愛が、ポール・デダリュスというキャラクターに投影されて […]
おぞましい一作と言っていいだろう。ミソジニー・オブ・ザ・ワールド、あるいはマチズモ・オン・ザ・ランといった感じだ。それに、「ロイヤル」(高貴)な「ホテル」など、どこにも出てこない。 ハンナとリブは親友同士。旅行で訪れたオーストラリアで金欠となり、ひとまずバーテンダーとして小金を得ようということに […]
説明不要の鬼才監督ヴィム・ヴェンダースが、同じ1945年に生まれ、同じ母国(ドイツ)を持つ芸術家アンゼルム・キーファーを描く。ヴェンダースとキーファーの組み合わせなのだから、それだけで、たまらなくアーティスティックな香りが漂ってくる。キーファーを題材にしているといっても、まだ彼が若手だった頃に収録 […]
「1969年イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラー」というキャッチフレーズが、まさにぴったりの一作である。さぞ日本でもリアルタイムで公開されてポップなアートやユーモアを好むひとにウケたのだろうなとか、90年代の渋谷系で再評価されていたんだろうなとか、勝手にイメージしていた […]
日本のどこかで今も起きていそうな話だが、映画の基になっているのは1997年から数年間、スペイン・ガリシア州の村民とオランダ人夫婦の間で実際に起きた軋轢だ。映画ではそこが「フランス人夫婦」の話になっている。 ガリシア州の、ある村に、フランス人の夫婦が越してきた。緑豊かな山岳地帯で、オーガニックな農 […]
反骨の映画監督、ジャファル・パナヒの新作『熊は、いない』。彼は1995年の長編デビュー作『白い風船』で第48回カンヌ国際映画祭カメラドール<新人監督賞>に輝いたものの、2010年に映画撮影と出国の禁止をイラン国家から言い渡された。が、それでも彼は作品を作り続け、9月15日から新宿武蔵野館ほか全国順 […]
世界各国で41冠の栄誉に輝いたという、いわくつきの作品『世界が引き裂かれる時』が6月17日よりシアター・イメージフォーラムほかで全国公開される。なぜ、“いわくつき”か。2014年にウクライナのドネツク州で起こったマレーシア航空17便撃墜事件を背景とする内容であること、ロシアのウクライナ侵攻直前の2 […]
「自分自身の人生はもちろん自分だけのものではないとしても、では、自分自身で自分そのものを思いっきり生きていると感じられる瞬間は、果たしてどんなときに訪れるのだろう?」 観終わったあと、しみじみと、そんなややこしいことを考えてしまった。 主人公は、サンドラという女性。5年前に夫を亡くしてから娘を […]
2020年に権威あるポーランド・グディニャ映画祭の金獅子賞(最優秀作品賞)受賞、2022年にイーグル賞4部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、主演男優賞)を受賞した力作が、7月22日から新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開される。監督のマチェイ・バルチェフスキ(ポーランド出身)は、ホロコースト生存者の […]
特定のスタジオに焦点をあてるドキュメンタリー映画といえば、昨年公開された『音響ハウス Melody-Go-Round』を思い出す。東京・銀座にある「音響ハウス」ゆかりのベテラン・ミュージシャンが、あえて新人シンガーを迎えて、1曲を作り上げていく場面が印象的だった。 いっぽう、本映画で特集されてい […]