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トランスフォーマー

  • 2025年9月11日

映画の撮影現場での問題について声を上げた最初の女性の一人、マリア・シュナイダーが体験したものとは。『タンゴの後で』

 ヒット映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』は、私にとっては音楽に浸るだけでおつりがくる作品だった。ガトー・バルビエリとオリヴァー・ネルソンという、ジャズ界の才人が音楽を担当しているからだ。ジャズ関連の仕事をする者にとっては、見ておくのが常識、口ずさめて当たり前なのが『ラスト・タンゴ・イン・パリ』とい […]

  • 2025年5月16日

アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート、ポーランド映画祭では過去最多の11冠を受賞した「デンマークの暗黒を描く」力作『ガール・ウィズ・ニードル』

 モノクロ映像による重厚な一作。監督・脚本のマグヌス・フォン・ホーン、撮影のミハウ・ディメク、美術のヤグナ・ドベシュの誰もが強い美意識を持っているのだろう、と、画面にひたすら浸った。  時代背景は第一次世界大戦後のコペンハーゲン。主人公のカロリーネ(ヴィクトーリア・カーメン・ソネ)は「お針子」として […]

  • 2025年2月21日

どうしたら人はわかりあえるのか? ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をW受賞『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』

 スマホはこんなにもクリアに惨事を捉えるのだ。あまりにもクリアなので最初の数分間はドラマの映画を見ているような気分にもなった。が、これは「リアル」なのだ。噴き出る血も、丸腰の人々と武装した集団のやりとりも、胸に刺さるような悲鳴も、爆音も、すべてがその場で起こったそのままなのだと思うと、やるせなさすぎ […]

  • 2025年1月17日

「このチャンスを逃せば、こんなものは二度と観られないかも」と評された、あまりにも独特なミュージカル、『ディックス!! ザ・ミュージカル』

 あの『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』のスタッフが関わっているミュージカル映画、とはいっても、誰かと一緒に観に行く場合は要注意かもしれない。下ネタ満載の作品だからだ。そもそも「ディックス!!」の「ディック」とは、往年の日本の名歌手ディック・ミネの芸名の由来になったという「ディック」、 […]

  • 2024年12月25日

ニューヨーク・タイムズが「スケール感と野心に満ちた、英雄的作品」と称賛。ナチス占領下アムステルダムの記憶に斬新な手法で迫る、『占領都市』

 4時間越えの大作。2時間を過ぎたころに充分な休憩時間が訪れる。  舞台はオランダの大都市アムステルダム。2005年には制作を考えていたとのことだが、撮影時期はパンデミックが大変な猛威を振るっていた頃だ。「人の極度に少ない大都市の風景は、こんなに荒涼としたものなのか」と、ちょっと怖い気分にもなる。 […]

  • 2024年8月24日

カンフーの達人の「姉愛」が爆発する痛快アクション作『ポライト・ソサエティ』

 大好きな姉とダメ男との結婚を阻止することに生命をかけた高校生の妹が主役の物語、といえばいいだろうか。妹はとにかく姉が大好き、だが相当に冷静に姉のことを見ている。だから姉がダメ男に夢中になっているのが許せない。だが姉はそれに気づかず恋に燃えている。まわりが見えない。それにそのダメ男はそんな姉の性質を […]

  • 2024年1月13日

これはスリラーではない。近隣の国で起こっている、すさまじい現実に触れよ

 2023年のサンダンス映画祭でプレミア上映されたアメリカ映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』(マドレーヌ・ギャヴィン監督)が、1月12日から日本で上映中だ。韓国の人権活動家であり、2000年以降に1000人以上の脱北者を支援してきたキム・ソンウン牧師を中心とするドキュメンタリーだが、登場するエピソー […]

  • 2023年8月25日

美貌の皇妃が40歳の決断! 史実とフィクションを交えた斬新かつメランコリックな意欲作『エリザベート 1878』

 宝塚歌劇団や東宝ミュージカルの題材になっていることもあって、日本でも大いに親しまれているオーストリア皇妃エリザベート。彼女をとりあげた作品は枚挙にいとまがないはずだが、この映画は極めてユニークだ。というのは、ほぼ、1878年(日本式にいえば明治10年)の彼女にスポットを当てたテイになっているからだ […]

  • 2023年6月16日

兵士→囚人→ギャンブラー。“復讐と贖罪”を、スコセッシとシュレイダーの名コンビが描く『カード・カウンター』

 あの名作『タクシードライバー』(1976年)で知られるマーティン・スコセッシ(製作総指揮)とポール・シュレイダー(監督・脚本)のコンビがよみがえった。主人公のギャンブラー、ウィリアム・テルを演じるのは名優オスカー・アイザック。すでに海外の主要映画賞でも絶賛され、ヴァニティ・フェアでは「オスカー・ア […]