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原田和典

  • 2025年10月12日

淡路島の土地で生きる人々、日本の第一次産業の現状を映し出すシリーズ第5弾。『種まく旅人~醪のささやき~』

 「映画を通して第一次産業の素晴らしさや豊かさを伝えていきたい」というコンセプトで、2012年に始まった『種まく旅人』シリーズ。その5年ぶりとなる通算第5弾は、兵庫県淡路島が舞台。中心となるのは、淡路島で作られる日本酒と兵庫県を代表的産地とする酒米・山田錦だ。  淡路島の老舗酒蔵に、農林水産省官僚が […]

  • 2025年10月5日

大きく生きよう! 料理と音楽を愛する思春期の少年の成長を描く人形アニメ。『リビング・ラージ!』

 アヌシー国際アニメーション映画祭 コントルシャン部門 審査員特別賞、チェコ・ライオン賞 アニメーション映画賞・音楽賞、スロバキア映画賞 アニメーション映画賞・音楽賞に輝く一作。つまり音楽と(人形)アニメの両方を愛する人には特におすすめしたい作品だだ。  主人公のベンは、音楽と料理が大好きな12歳。 […]

  • 2025年10月4日

15歳のテニス・アカデミー生はなぜ沈黙するのか。コーチと生徒の関係に問題意識を投げかける。『ジュリーは沈黙したままで』

 大坂なおみがエグゼクティブ・プロデューサーを務める一作。ベルギーが生んだ気鋭レオナルド・ヴァン・デイル監督の長編第1作にあたり、第77回 カンヌ国際映画祭 批評家週間 SACD賞、第97回 アカデミー賞 国際長編映画賞ベルギー代表に選ばれた。  ストーリーは相当にシリアスだ。主人公のジュリーは、大 […]

  • 2025年10月3日

オダギリジョー 脚本・監督・編集・出演。「オリバー」の世界に新味を加えて映画化。『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』

 オダギリジョーが脚本・監督・編集・出演をこなす話題作がついに映画化。ドラマ化発表時からセンセーションを起こし、「東京ドラマアウォード2022」の単発ドラマ部門作品賞グランプリ、月間ギャラクシー賞受賞など、高い評価を受けてきた物語だ。彼が演じる「オリバー」は、なんとも不思議なキャラクター。というのは […]

  • 2025年9月27日

大成功を収めたマネージャーとしての姿と、一人の男性としての葛藤。エプスタイン像を立体的に描き出す。ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』

 ザ・ビートルズ界隈は本当に面白い。誰の視点にスポットを当てても鮮やかなまでに異なる風景が描かれる。秘書を務めていたフリーダ・ケリーを題材にしたドキュメンタリー「愛しのフリーダ」の日本公開から早12年、今度は1967年夏まで二代目マネージャーを務め、港町の荒くれロックンロール・バンドを世界ナンバーワ […]

  • 2025年9月27日

幽霊になって街を騒がす元カノの本当の目的は何? タイの大ヒット・マルチバース・ラブ・ホラーが日本公開。『サッパルー!街を騒がす幽霊が元カノだった件』

 まるでネタバレのようなタイトルではないか、と思ったが、見ていくと「街を騒がす幽霊が元カノだった」という事実は「序章」であることに過ぎないということがわかり、エンディングを迎える頃には街(というか村)の人々の人間模様、リアルとファンタジー、ホラーとコメディを行き来するような展開に「構成がうまいなあ」 […]

  • 2025年9月27日

韓国映画初登場第1位の大ヒットを記録。配信業界の闇を描く問題作、『殺人配信』

 まさしく現代の「寓話」である。主人公はリアルタイム動画配信サービス「WAG」のスター配信者、ウサン。大衆の覗き見根性をくすぐるような犯罪をとりあげたチャンネルの司会進行によって、支持が急上昇している。キメキメの外見で、ポーズをとりながら、カメラ目線でセンセーショナルなことやかっこいいことをいうウサ […]

  • 2025年9月13日

2024年に韓国で5年ぶりに芸術・独立映画の歴代ヒット記録を更新。韓国の大ベテラン女優の共演。『最後のピクニック』

 8頭身は確実にありそうな美男美女が出てくる都会的でスタイリッシュなラブストーリーか、やはり8頭身はあるであろうかっこいい男が長い手足をふんだんに使って演じるハードボイルドなアクション……それが韓国映画のトレンドなのだろうと勝手に思っていたので、この映画にはいささか驚き、なんともいえないあたたかな気 […]

  • 2025年9月13日

2021年夏、福島。原発事故で青春を奪われた青年たちが向かう先は――。『こんな事があった』

 『こんな事があった』という表題にギョッとさせられた。2011.3.11。二度と忘れることのできない揺れ、情景、空気。私は日比谷にいたのだが、何時間もかけて歩いて家に帰り、ぐしゃぐしゃの部屋を整理し、親族にひとまず無事であると報告し、テレビのニュースをかじりつくように見た。そこからおそらく数日後に始 […]

  • 2025年9月11日

映画の撮影現場での問題について声を上げた最初の女性の一人、マリア・シュナイダーが体験したものとは。『タンゴの後で』

 ヒット映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』は、私にとっては音楽に浸るだけでおつりがくる作品だった。ガトー・バルビエリとオリヴァー・ネルソンという、ジャズ界の才人が音楽を担当しているからだ。ジャズ関連の仕事をする者にとっては、見ておくのが常識、口ずさめて当たり前なのが『ラスト・タンゴ・イン・パリ』とい […]