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原田和典

  • 2025年12月4日

映画『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』、リム・カーワイ監督の原点となる一作が、デジタル・リマスター版として上映

 2009年にマレーシア・中国・日本合作映画として制作され、その3年後に日本初公開された『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』が、デジタル・リマスターのうえ久々にスクリーン上映される。いまや大物監督であるマレーシア出身、リム・カーワイの初期を代表する一作だ。  モノクロとカラーのコントラストを生か […]

  • 2025年12月4日

映画『マルドロール/腐敗』、腐敗した警察組織の闇。実話をもとにした150分余り

 150分を超える長編。描き方がひじょうに丁寧、たっぷりと行われている印象を受けた。とくに前半の幸せな場面はずいぶん念入りに紹介されているのだが、これがあとで利いてくる。主人公の不幸、孤独、他者からの無理解が深まれば深まるほど、前半の幸せな日々が際立ってくる。ああ、やはりこの映画には長い尺が必要だっ […]

  • 2025年11月30日

『映画版『WE-入口と世界の出口』』、題材は2073年の日本。監督が「芸術の可能性を追い求めたひとつの証」と語る意欲作

 2073年の日本を題材にした話題の舞台を映像化した一作。「2073年」など、ちっとも遠い未来ではない。あと48年すればやってくる。ちなみに今から48年前は1977年、ピンクレディーが大ブレイクした頃だ。そのくらいの距離しかない。  さてこの映画で描かれている2073年、日本国民は上級、中級、下級に […]

  • 2025年11月30日

映画『消滅世界』、性が消えた世界で人々は……。衝撃の話題作が実写映画化

 衝撃的な内容である。この物語の中で、何が消滅しているのか、というと、いろんなものがそれにあたるのだろうが……。物語中の子供の生み方は人工授精によるものがスタンダードであり、夫婦間の性行為はあってはならないものとされる。だからそんなことで子供を生んだ(子供が生まれた)ことがばれてしまったら、第三者が […]

  • 2025年11月27日

映画『兄を持ち運べるサイズに』、知らなかった兄の一面が見えてきた……。実話をもとにした心温まる一作

 小説家・村井理子の実体験を基にした作品。映画タイトルは、兄が先に亡くなって骨になってしまったことに由来する。この兄、かなり自由奔放なキャラクターで妹(村井)はそれを疎ましく思っていた。その自由奔放さゆえか、妙に他人に愛される一面もあったようだが、それも彼女にとっては理解を超える要素の一つであった。 […]

  • 2025年11月22日

映画『医の倫理と戦争』。いま医療の現場で何が起きているのか? 80年前と現在を結び付ける

 これは濃厚な一本だ。「731部隊の真実を追う」ということと、「現在の医療現場が抱える様々な問題に関する医療関係者への取材」を、70数分の中に収めるという離れ業がここにある。私が731部隊について知ったのは松本清張か誰かの著作だったと思う。とんでもないエリートたちが、とんでもない技術をもって、一種の […]

  • 2025年11月21日

映画『笑む窓のある家 4K修復版』『ZEDER/死霊の復活祭』、イタリアの巨匠、アヴァティ監督の再評価が進む! 古典的ホラー2作品が上映

 プピ・アヴァティ監督の古典的な2作品が劇場でかかることになった。東京・シネマート新宿ほかで『笑む窓のある家 4K修復版』は11月21日、『ZEDER/死霊の復活祭』は11月23日からの公開だ。(『ZEDER/死霊の復活祭』は回数限定公開)  アヴァティは、自分が初めて知ったイタリア人映画監督かもし […]

  • 2025年11月16日

「松竹ブロードウェイシネマ 2025 秋」。日本に居ながらにして欧米の名門劇場へ!

 海外のミュージカルを日本で身近に感じてもらおうと立ち上がった「松竹ブロードウェイシネマ」が好評だ。私もドルがこんなに高くなる前はしばしばニューヨークにミュージカルを見に行っていたが、どちらかというと繁華街のシアター・ディストリクトよりもオフ・オフ・ブロードウェイが主現場だったので、なんというか、大 […]

  • 2025年11月13日

映画『ベ・ラ・ミ 気になるあなた』。注目の監督が完成させた、温かな抱擁の物語

 ゲン・ジュン監督が、1990年代に地元鶴岡で出会ったゲイ男性の経験をもとにまとめあげた――つまり実話をもとにしたラブストーリー。ポスターに描かれたキャッチフレーズ“黒竜江省のジャームッシュ”に、「うまいこというなあ」と唸らされた。けっこうドラマティックな内容だと思うが、描き方はごく淡々としていて、 […]

  • 2025年11月13日

映画『赤い風船 4K』『白い馬 4K』。今なお多大な影響力を誇る名監督の古典2作品が、息子の尽力によって4Kデジタル修復

 1970年に亡くなったフランスの映画監督で“映像詩人”の異名をとるアルベール・ラモリスが遺した傑作2作品が、4Kデジタル修復のうえ、11月14日からシネマート新宿ほかにて2本立てで公開される。  『赤い風船』は1956年のカラー作品。短い時間の中にポップでキャッチーな要素が詰め込まれていて(ストー […]