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原田和典

  • 2025年8月1日

その“青春”は一瞬の閃光で奪われた、しかし彼女たちは希望を捨てずに生き続ける。『長崎-閃光の影で-』

 1945年8月に行われたアメリカ軍の日本への原爆投下から35年を経て、日本赤十字社の看護師たちが発表した手記「閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―」が原案となった1作。敗戦から今年で80年となり、人間という生き物の寿命上いたしかたないとはいえ、リアルでその惨状を知る者は減る一方だ。ゆえに […]

  • 2025年7月26日

時効までの15年を逃げ切ろうと決意した指名手配犯が見たものとは……。石田えりの長編初監督作品『私の見た世界』

 原作:福田和子(「涙の谷」扶桑社刊)。このクレジットだけで引き込まれる人も、拒否反応を示す人もいるだろう。ホステスを殺害し、14年11ヵ月10日間、逃げ続けて、時効の数十日前に逮捕された同犯人をモチーフにした一作だ。  この犯人は過去いろんなドラマの素材となってきた。本作の興味深さは、タイトル『私 […]

  • 2025年7月26日

インド映画史上初! 第77回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品、『私たちが光と想うすべて』

 歌わず、踊らず、じっくり見せるインド映画、しかも120分未満。それだけで私には衝撃的である。そしてこの『私たちが光と想うすべて』は、インド映画として初めてカンヌ国際映画祭グランプリ受賞のほか、100を超える世界の映画祭や映画賞にノミネートされ、25以上の賞を得たという。監督・脚本は、これが初長編だ […]

  • 2025年7月26日

<死>よりも恐ろしい、悪夢の始まりとは? 韓国映画の新たな名作ホラー誕生。『三日葬/サミルチャン』

 「スピード感ありすぎじゃないか」と言いたくなるカメラ・ワーク、人間の怖いと感じる帯域に全振りしたかのような効果音、数分間に一度はおびえさせるぞという意気込みが伝わってきそうなストーリー展開、どれも「あふれる本気」を感じさせる。そして「神父」の存在が利いている。このあたり、「特に教育や医療分野で教会 […]

  • 2025年7月18日

第20回大阪アジアン映画祭インディフォーラム部門上映作品。ある介護施設の人間模様を描き出した力作『また逢いましょう』

 誰でも自分の源には「親」がある。その意味では、誰もが、自分の立場に照らし合わせて見てしまう一作といえるかもしれない。原案は、京都市右京区でデイケア施設「ナイスデイ」を運営する伊藤芳宏の著書「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊)であるそうだが、梶原阿貴の脚本は、そこに現代社会に生 […]

  • 2025年7月16日

修道院に隠された秘密に触れてしまったがために……シドニー・スウィーニーが絶叫しまくる話題のホラー作品、『IMMACULATE 聖なる胎動』

 全世界興行収入が300億円を超えたと伝えられるトレンディなコメディ作品『恋するプリテンダー』でファンを一気に増やしたに違いないシドニー・スウィーニーが、絶大な意気込みのもとに取り組んだ作品が、この『IMMACULATE 聖なる胎動』であるとの印象を受けた。非常に難しくも実にキャッチーな役柄を、とき […]

  • 2025年7月12日

あの大ヒット作が亜米利加に舞台を移してリメイク。世界を跨ぐカンニング作戦の結末とは!? 『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』

 思い出すだけでもスリリングな一作だった。国内興行収入1位、16の国と地域でヒット(うち中国・香港・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・マカオ・フィリピンではタイ映画史上歴代興収1位)を記録した『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』、それをリメイクしてしまったのが7月11日から公開される『BAD GEN […]

  • 2025年7月9日

二度の災害を経験した【能登の今】を知るドラマ+ドキュメンタリー、『生きがい/能登の声』

 6月20日から石川県で先行公開されていた『生きがい/能登の声』が、7月11日からシネスイッチ銀座ほか順次公開される。  『生きがい』は、脚本・監督・企画を宮本亞門が手がけたショートフィルム。彼がメガホンをとるのは約30年ぶりだという。崩壊した家の下から救出された、黒鬼と呼ばれる元教師が主人公だ。眼 […]

  • 2025年7月8日

ゴダールが絶賛し、トリュフォーが嫉妬したという逸話をもつ才人=ジャック・ロジエの特集上映の白眉となる長編、『オルエットの方へ』

 来年に生誕100年を迎えるジャック・ロジエ監督。彼が手がけた長篇第二作『オルエットの方へ』が4Kレストアされ、7月5日から東京渋谷のユーロスペースで上映される。“長篇”という言葉にぴったりの約160分の作品で、撮影は1969年とされる。そして挿入曲にはロック・ミュージカル『ヘアー』からの「アクエリ […]

  • 2025年7月5日

大ヒットのドラマ版からさらに発展・進化。主人公・誠のアップデートに終わりはないのだ。『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』

 「TVer」初回再生回数が1週間で89万回を達成し、「2024年日本民間放送連盟賞」ではテレビドラマ部門 優秀賞を受賞。練馬ジムによる原作も国内累計閲覧数8,400万回以上(2025年3月時点)という大人気作が、今度は映画化された。  主人公・誠(原田泰造)の一家は誰もが伸び伸びしている印象だ。妻 […]