- 2025年6月1日
残りの人生を実り豊かに過ごすために、老夫人がとった行動とは。オゾン監督の最新作。『秋が来るとき』
観終えて思い出したのはフランク・シナトラの『September of My Years』というレコードだ。発表は1965年。50歳を迎えたシナトラは、もう自分の人生は秋を迎えてしまった――つまり寿命の4分の3は使い切り、あとは「人生の冬」のみ――との思いを刻んだ。それから60年もの歳月が経ち、医療 […]
観終えて思い出したのはフランク・シナトラの『September of My Years』というレコードだ。発表は1965年。50歳を迎えたシナトラは、もう自分の人生は秋を迎えてしまった――つまり寿命の4分の3は使い切り、あとは「人生の冬」のみ――との思いを刻んだ。それから60年もの歳月が経ち、医療 […]
TVerで1500万超の再生数を得たというドラマ「それでも俺は、妻としたい」の劇場版。話題になっているのは知っていたものの、テレビ版を見る時間を逸していた私のような者にも実にありがたい。 「したい」という言葉にかかる目的語はずばり「セックス」なのだが、主人公の夫妻には「どぶろっく」にハマっている […]
アカデミー長編アニメ賞に4度ノミネートされているアイルランドのスタジオ“カートゥーン・サルーン”の制作。本国ダブリンの映画館では1年にわたるロングラン上映が続いたという。 題名に登場する“パフィン”とはキャラクターの名前ではなく、海鳥の一種。アトランティック・パフィン(日本名ニシツノメドリ)とタ […]
バディ、クライム、サスペンス、アクション等の要素がこれでもかと詰め込まれた一作。主人公のふたりは義兄弟的な関係を築いているが、その“仕事”ぶりにはクセがある。表の顔は、刑事。だが裏金を取りまとめるという裏の顔もある。つまり「捕まえるほう」と「捕まえられるほう」を兼ねているのだ。それをシチュエーショ […]
2022年、72年間の歴史を閉じた映画館「首里劇場」のラストを追った作品。沖縄が米国の施政下におかれたのは1952年4月28日からの約20年間だから、そのようにされてしまう前から営業をおこなっていたということになる。一時期はピンク映画専門館になったこともあるようだ。名画座として再スタートしたものの […]
第74回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀作品賞に輝く一作。タイトルに出てくる単語“バス”は乗り物ではなくフロ(bath)を示す。なぜこの題名なのかは観ていくうちにわかる。 時代背景は18世紀半ば、場所はオーストリア北部の小さな村、主人公は […]
本当にいろんな時代のいろんな場所の人々を感動させてきた筋書きではなかろうか。私にはYUIと塚本高史による映画(2006年というから、もう20年近く昔になるのか)や、沢尻エリカと山田孝之によるTVドラマがずいぶん流行ったなあという印象があるのだが、原案はさらにその十数年前、1993年の香港映画『つき […]
すげえ! と声を何度あげたくなったことか。約140分の長編だが、この倍の時間でも私は興奮を持続しながら観たことだろう。そして終わり方が憎い。ストーリーの性格上、続編は望めない感じであるけれど、それにしては余韻を残しすぎのエンディングだ。デミ・ムーアの役者魂も爆発している。 展開のあらゆる箇所が伏 […]
モノクロ映像による重厚な一作。監督・脚本のマグヌス・フォン・ホーン、撮影のミハウ・ディメク、美術のヤグナ・ドベシュの誰もが強い美意識を持っているのだろう、と、画面にひたすら浸った。 時代背景は第一次世界大戦後のコペンハーゲン。主人公のカロリーネ(ヴィクトーリア・カーメン・ソネ)は「お針子」として […]
ぶどう農家を営む妻・あゆみとその夫・龍馬が物語の一つの中心にある。龍馬は母親と二人暮らし、あゆみはそこに「嫁入り」した形だ。夫の母=姑と暮らしを共にするとは、それだけでもあゆみの一大決意がうかがえる。が、土地柄なのかその家の伝統なのかどうなのか、龍馬は妻を「おまえ」呼ばわりし、あれこれ命令し、乱暴 […]