- 2023年12月29日
視覚と聴覚の双方を揺さぶる、実話を基にした戦争アクション『アンブッシュ』
「実話をもとにした作品」であると知り、いきなりビビる。そして、「現在進行形の、最新テクノロジーを駆使した戦争とはこういうものなのか。ドローンはこのように活用されるのか。装甲車は本当に分厚い、鎧のような仕様なのだな。“海ゆかば”の時代とはえらい違いだ。だが人の命が粗末にされることには、結局同じなのだ […]
「実話をもとにした作品」であると知り、いきなりビビる。そして、「現在進行形の、最新テクノロジーを駆使した戦争とはこういうものなのか。ドローンはこのように活用されるのか。装甲車は本当に分厚い、鎧のような仕様なのだな。“海ゆかば”の時代とはえらい違いだ。だが人の命が粗末にされることには、結局同じなのだ […]
映画『火だるま槐多よ』は、22歳で夭逝した天才画家であり詩人の村山槐多(1896~1919)の作品に魅せられ取り憑かれた現代の若者たちが、槐多の作品を彼ら独自の解釈で表現し再生させ、時代の突破を試みるアヴァンギャルド・エンタテインメント。1月のロッテルダム国際映画祭への正式出品が決定している。 […]
映画を観る醍醐味のひとつに「学び」がある。観た後、観る前より知識の厚みが増していることに気づいたときの、なんというのだろう、達成感は一度体験するとクセになる。 この2作品の主人公である阿彦哲郎、三浦正雄の両氏を、私は映画に出会うまで存じ上げていなかった。そして観終えて、つらさ、やるせなさ、切なさ […]
「なんなんだ、これは」という気分にさせてくれる絵画など、そうあるものではないが、村山槐多の油絵「尿する裸僧」にはびっくりした。どんなレトリックに頼るよりも、ただただ「びっくりした」と書きたい。しかも自画像という説があるという。小便している姿を自画像にする発想がとんでもないし、しかも、両手を合わせた […]
今年で没後75周年となる小説家、太宰治が遺した短編に基づく映画化。1946年の発表というから、大傑作「御伽草子」の後、「斜陽」「人間失格」の前ということになる。 “「先生」と「鶴田(教え子)」という上下関係や年齢の差を超えて育まれた友情”、“出征したまま戻ってこない「鶴田」”、“若者をおいて図ら […]
『愛のうた、パリ』、『愛のあしあと』等で知られる映画監督・作家のクリストフ・オノレ(1970年生まれ)の、半ば自叙伝的な一作。ストーリーの随所で、主人公・リュカのモノローグが挿入される。 オノレは15歳の時に父親を亡くしたそうだが、この映画の主人公であるリュカは17歳の時に父親を事故で失った。葬 […]
『ハッピーアワー』、『偶然と想像』など濱口竜介監督作品で助監督を務め、短編映画『二十代の夏』はフランス・ベルフォール国際映画祭のグランプリ&観客賞を受賞。注目を集める高野徹の初長編監督作品が12月8日からシモキタ – エキマエ – シネマ「K2」にて上映される。 内容は全 […]
ギャスパー・ノエ監督の最新作は、リヴィング・レジェンド級のふたり、ダリオ・アルジェント(どちらかというと監督として著名か。なんと今回が初主演だという)とフランソワーズ・ルブランの共演作品。老夫婦がいかに生涯を終えてゆくかを、約150分にわたって描いた一作だ。映画評論家の夫は重い心臓病を抱えており、 […]
「後悔する」という意味のことわざ「臍(ホゾ)を噛む」からタイトルをとった映画『ホゾを咬む』は、本作ヒロインの小沢まゆが主演する短編映画『サッドカラー』がPFFアワード2023に入選するなど、国内映画祭で多数入選・受賞している新進気鋭の映像作家・髙橋栄一脚本・監督の最新長編映画。モノクロームの世界観 […]
『シンドラーのリスト』や『96時間』シリーズで知られるベテラン、リーアム・ニーソンの映画出演101本目となる作品。私など彼の名を聴くと途端に「超人」というフレーズが浮かんでくるのだが、今回は妻、ふたりの子供と暮らすビジネスマン・マットを演じる。金融の仕事がハードなのだろう、いささか家族をなおざりに […]