AUTHOR

原田和典

  • 2026年2月6日

映画『トゥギャザー』、磁石以上に強く引き合うふたり。感情が離れても、からだは決して引き離せない

 “結びつき”をドラマティックに、怖く、スリリングに描いた一作。出演人物を芸人に変えたらコメディとしても成立しそうな箇所があるのだが、それは観終えてから思えてきたことで、上映中はなんというか、ただひたすら手に汗を握る感じだ。  主人公は、一組の男女。女性は小学校の教師、男性はミュージシャン志望。しば […]

  • 2026年2月6日

映画『パンダのすごい世界』、ジャイアントパンダの知られざる物語。こんなにユニークな生き物だったとは!

 ジャイアントパンダが日本からいなくなった。全国から見に来る人の交通費や宿泊費や食費も含めて、この50数年間、どれだけこの国に経済効果をもたらしたことだろう。それは、かかるエサ代の比ではなかったはずなのだ。 そんなタイミングに、画面を見ながらパンダを疑似体験できる1作が、2月6日からTOHOシネマズ […]

  • 2026年1月31日

映画『時のおと』、「あたかもその街に一緒に住んでいるかのような感覚になる新しい街の映画」という評にもうなずける、気鋭監督の最新作

 「音」をテーマにしたオムニバス形式の作品といえばいいか。福井県出身で、デビュー作『轟音』が世界の映画祭に選出。俳優としても活動する片山享監督の最新作である。  福井市、小浜市、南越前町、鯖江市、勝山市の全面協力を得て制作されたとのことだが、あいにく私は福井県に足を運んだこともなく、福井弁になじんだ […]

  • 2026年1月30日

映画『ガーゴイル 4Kレストア版』、狂気の衝動と男女の愛。永遠の問題作が4Kレストア版に

 ひじょうにスタティックに、アーティスティックに描かれているように感じたが、一皮めくれば血と暴力と苦悩が噴出してくる。2001年公開の問題作『ガーゴイル』の、4Kレストア版が1月30日から新宿ピカデリーほかで上映される。監督のクレール・ドゥニはヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュらの助監督を務 […]

  • 2026年1月29日

映画『マーズ・エクスプレス』、23世紀の火星、人間とロボットが共存する毎日の間で何かが起こる

 大友克洋監督『AKIRA』、押井守監督『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、今 敏監督『パプリカ』など日本アニメーションからもインスピレーションを受けたと伝えられるフランス産のアニメ映画『マーズ・エクスプレス』が、ついに1月30日から全国公開される。第52回アニー賞長編インディペン […]

  • 2026年1月27日

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』、禁断の「悪魔祓いの儀式」に取り組む修道女。“説明のつかない何か”が静かにうごめく

 「悪魔祓い」をこれでもかと堪能できる一作だ。脚本・監督はいかに悪魔祓いの過程をディテールたっぷりに描くべきか考えに考え抜き、役者たちはいかにリアリティを感じさせる悪魔祓いを届けるのかに腐心したのではないか。とにかくこの悪魔祓いシーンが圧巻である。  物語の核となるのは原因不明の発作に苦しむヒジュン […]

  • 2026年1月18日

映画『モディリアーニ!』、ジョニー・デップ、約30年ぶりの監督作品。鬼才芸術家の人生を変えた3日間に迫る

 昨年来日したジョニー・デップが監督を務める一作。原作はデニス・マッキンタイアの戯曲「モディリアーニ」、ジョニーが約30年ぶりにメガホンをとることになった背景には名優アル・パチーノからの声かけがあったようだ。  タイトルが示すように、題材はイタリアに生まれ、主にフランスで活動した芸術家アメデオ・モデ […]

  • 2026年1月18日

映画『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』、命を懸けた美への執念! 「シンデレラ meets クローネンバーグ」と言わしめた話題のホラーが日本上陸

 ロマンティックな童話とホラーは相性がいいなあ。音楽で言えばクラシックとヘヴィーメタルがしっくりいくようなものか。  第75回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品、第43回ブリュッセルファンタスティック国際映画祭シルバーレイブン受賞など、20もの映画祭で正式出品されたという一作。第41回サンダンス […]

  • 2026年1月15日

映画『サリー』、まさか私がロマンス詐欺? 独身台湾女性が“運命の人”に出会うため、パリへ向かう

 主人公の、ある意味、熱に浮かされた行動を見ているうちに、「がんばって」「うまくいきますように」という声が私の心の中から起こってくる。観終わった後の気分も実にさわやかだ。  台湾の山間部に住む38歳の女性・リンを軸とする物語。ニワトリや犬に囲まれた生活はつつましくも充実しているようで、弟・ウェイホン […]

  • 2026年1月15日

映画『CROSSING 心の交差点』、『ダンサー そして私たちは踊った』で話題のレヴァン・アキン監督、イスタンブールを舞台にした新作

 ここにはない場所に連れて行ってくれるのが映画だ。しかもその使用言語になじみがなければないほど“エキゾチック度”が増す。そういった意味では私はこの映画をとても興味深く見入った。“トランスジェンダー”、“LGBTQ+”、“クィア”といった言葉で表現されることも多い作品のようだが、私はトルコ・イスタンブ […]