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エンタメ

  • 2023年4月23日

鬼才が捉え、放棄した「1968年の揺れ動くアメリカ」を今、スクリーンで体験。『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』公開へ

 いわくつきの一作とは、こうしたものをいうのだろう。  1968年秋、フランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールはアメリカ・ニューヨークにやってくる。五月革命が起こった国の映画人が、キング牧師の暗殺がまだ残る国を訪れたのだ。カメラを回すのはリチャード・リーコックとD・A・ペネベイカー。60年代初頭 […]

  • 2023年4月20日

本物のヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニの映像をサンプリングした、いわくつきの一作『独裁者たちのとき』が、日本上陸

 音楽の世界でいうところの「サンプリング」を駆使しまくった作品と言っていい。登場人物はヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニ。すべて本人だ。アーカイブ映像から彼らを取り出し、セリフも過去の手記や実際の発言から引用された。さらにいうなら、ディープフェイク(注:人物画像合成技術)やAIテクノロジ […]

  • 2023年4月19日

ホームレス詐欺師一家と裕福な一家の偶然の出会いが、驚きの展開を運ぶ。キャッチーな場面が続出する話題作『高速道路家族』

 「ユーモア、サスペンス、アクション……映画のすべてが詰まった傑作」と、第27回釜山国際映画祭でも称賛された『高速道路家族』が4月21日からシネマート新宿、アップリンク吉祥寺、池袋シネマ・ロサ他で公開される。とにかくキャッチーな(強烈な)モチーフが次から次へと登場して物語が進む。5本分ぐらいのネタが […]

  • 2023年4月18日

その道化師たちに気をつけろ! オーバーツーリズムへの警鐘にもなる、手加減なしの殺戮エンタテインメント『ベネシアフレニア』

 この監督も脚本家も皆、心に狂気を飼っているのではないか。何がどうなったら、ここまでの恐ろしさを映画中に横溢させることができるのか。なんたるチームを組んだのだ、と思ったら、アレックス・デ・ラ・イグレシアがひとりで監督も脚本も(こちらはホルヘ・ゲリカエチェバァリアと合同)で手掛けていたのだった。クエン […]

  • 2023年4月15日

映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が公開。記念舞台挨拶に細田佳央太、駒井蓮、金子由里奈監督らが登壇

 映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』は、「おもろい以外いらんねん」「きみだからさびしい」をはじめ繊細な感性で話題作を生み出し続けている小説家・大前粟生さんにとって初の映像化作品で、『21世紀の女の子』『眠る虫』などで注目を集めた金子由里奈監督による長編商業デビュー作。大学の「ぬいぐるみサークル […]

  • 2023年4月13日

200年前の物語であっても、人間の本質は変わらない。観る者を引き込む「上京あるある物語」を描く『幻滅』公開へ

 原作は、フランスの文豪オノレ・ド・バルザックが書いた小説「幻滅 メディア戦記」。物語の舞台は19世紀前半なので、ざっと200年前のストーリーだ。なのに、むちゃくちゃヴィヴィッドだ。とくに地方都市から大都会(東京でもニューヨークでもベルリンでも)にやってきた経験を持つ者なら、「あるある」の連続に、共 […]

  • 2023年4月12日

「もう誰も信じられない、自分だけが助かればいい」という気持ちにさせる異常事態、それが戦争だ。『未来は裏切りの彼方に』公開へ

 嘘、裏切り、保身、デマのループ状態に誘い込まれる。戦争中という一種特殊な状況が、登場人物の心を邪悪な方面に駆り立てているのか、それともこの嘘まみれの姿が人間というものの本性なのか。深く考えさせられる一作だ。  舞台となっているのは1944年、つまり第二次世界大戦終了前年のスロバキア第一共和国。妻帯 […]

  • 2023年4月11日

愛とはこんなに痛いものなのか! 3人の男による、激しくも抒情的な物語『マネーボーイズ』

 先日ご紹介した『美しい彼』とは、一種対照的な作品。情がぶつかりあい、思惑が飛び交い、ストーリーは一筋縄ではいかない。「あなたは、それでも人を信じることができるのか。愛する人のために、すべてを投げ出すことができるのか」と、問いを突きつけられているような気持になった。  そんなヘヴィーな作品が4月14 […]

  • 2023年4月6日

育児を通じて、人の暖かみを知る。「開眼」した父親と、3歳の娘の物語。『この小さな手』が公開

 観る者の性別、既婚者か独身か、誰かの親であるか否かで、感じ方が大いに変わってくる映画であろう。が、作品全体から放たれる眼差しは、春の日差しのように穏やか、そして暖かい。  原作は「きらきらひかる」等の代表作を持つ郷田マモラの同名コミック。イラストレーターの和真、妻の小百合、3歳の娘・ひなを中心に描 […]

  • 2023年4月5日

フィンランドの三人娘の青春。物語構成と共に音楽にも注目したい。『ガール・ピクチャー』、4月7日に公開

 第95回アカデミー賞「国際長編映画賞部門」フィンランド代表、第38回サンダンス映画祭「ワールドシネマドラマ部門」観客賞受賞。フィンランドの話題作『Tytot tytot tytot』(英語にすると“Girls girls girls”)が、邦題『ガール・ピクチャー』として4月7日から新宿シネマカリ […]