- 2022年6月1日
「経済格差」、「親ガチャ」の先に、誰もが笑顔でいられる日常は決してやってこない。問題作『ニューオーダー』が、遂に日本公開
喜びと悲劇のコントラストに、非情なまでに迫る一作だ。第77回ヴェネツィア国際映画祭で二部門に輝いたものの、いろんな映画祭で賛否両論が渦巻いたという。監督・脚本はメキシコの気鋭、ミシェル・フランコ。制作はまだコロナが猛威を振るう前だったとのことだが、これからの世の中がこの映画のようにならないという保 […]
喜びと悲劇のコントラストに、非情なまでに迫る一作だ。第77回ヴェネツィア国際映画祭で二部門に輝いたものの、いろんな映画祭で賛否両論が渦巻いたという。監督・脚本はメキシコの気鋭、ミシェル・フランコ。制作はまだコロナが猛威を振るう前だったとのことだが、これからの世の中がこの映画のようにならないという保 […]
血も涙もない、といったハードボイルドそのままな描写で行ききるかと思いきや、なんともエレガントでスウィートでダンディな展開が締めくくりで待っている。塩辛いものに砂糖をかけたら、うまいぐあいに塩辛さと甘さが共にアップした感じだ。2011年の韓国のヒット映画『狼たちの墓標』が、5月27日より東京・シネマ […]
公開されるやいなや8.5億元(約150億円)の収益を上げたという中国の人気映画が、ついに日本上陸だ。 コメディアンのチャン・ユエンが監督・脚本・主演を担当。まったくタイプの違う人間同士が心を通わせていく様子が、コミカルなシーンの連続の中に、実に暖かな眼差しをもって描かれる。しかも往年のトレンディ […]
『手紙と線路と小さな奇跡』は、ほのぼのとシリアス、出会いと別れ、大都会と田舎、韓国と米国、いろんな対比が歯切れよく描かれた作品だ。 主人公のジュンギョン(パク・ジョンミン)は、天才的な数学の才能を持つ高校生。彼は往復5時間かけて村から通学している。しかも線路の上を歩くという、大変な危険をおかして […]
ものすごい濃度、ものすごいテンポで物語が進んでいく。これがテレビもパソコンもない時代の制作なら“ひと息つく”場面にたどり着くだけで、映画一本分の尺を使い切ってしまったかもしれない。が、この作品では、その“ひと息”がプレリュードなのだ。 そして観終わったとき、「人間がこの地球に生きる意義とは?」「 […]
観ているあいだ体が冷えていくのが分かる。画面に充満する雪景色や暴風や氷を見ているうちに、その寒さや厳しさがスクリーンを超えてリアルにこちらに飛びかかってくるような錯覚を覚える。そしてフォーリー(効果音)の数々が異様に生々しく鮮明だ。ストーリー、画面、サウンドが一体となって“怖さ”を打ち出してくる。 […]
筆致、いや、映致がクールであればあるほど、じわじわと迫りくる恐怖もひとしおだ。音響、声の出し方、メイク等も含めて、実に怖さが後を引く映画に出会ってしまったという印象を抱く。その作品こそ、『ダーク・アンド・ウィケッド』である。『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』で地位を確立した気鋭ホラー・マスター、ブ […]
第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作品『少年の君』の監督として注目を浴びるデレク・ツァン、その若き日の単独監督デビュー作にあたる『ソウルメイト/七月と安生』が6月25日(金)から東京・新宿武蔵野館ほか全国公開される。 タイトルに記されているように、七月(チーユエ)と安生(アンシェン)は […]