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クロックワークス

  • 2025年5月12日

スペインを代表する若手女優・モデルのエステル・エクスポシトが渾身の演技。犯罪組織の魔の手から逃れられるのか……。『VENUS/ヴィーナス』

 ホラー+ミステリー+サスペンスのスリリングな盛り合わせといった感じだ。一部で熱狂的に支持される怪奇作家、H・P・ラヴクラフトの1933年作品「魔女屋敷で見た夢」を原案にした1作であるという。“一筋縄ではいかない”という言葉がまことにふさわしい展開で、惜しげもなく噴き出る血(しかも黒みを帯びているよ […]

  • 2025年5月3日

人気お菓子のキャラがまさかのフル3DCGアニメ化。仲間を救い、世界をも救う! 『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』

 1978年以降、現在までのどこかを子供として過ごした人なら、ギンビス社のお菓子「たべっ子どうぶつ」を必ずや食べたことがあるに違いない。今では世界20か国以上で販売されているとのことだ。が、そのキャラクターがアニメになって、歌い、踊り、しゃべるとは、まったくもって予想の斜め上をいっていた。ぞうくん、 […]

  • 2025年4月13日

息子の平和な日常を壊した連中に、恨みを晴らす。クリスマスイブの夜に行われた壮絶な復讐劇、『サイレントナイト』

 期せずして、ということだろうが、最近はなんだか復讐系の映画が多い。『皆殺しに手を貸せ』、『アマチュア』、そして本作、皆そうだ。もちろん味付けはどれも異なっていて、つまり「恨みはらさでおくべきか」というマインドが、いかに人々の心を活気づかせ、クリエイターの創造心を刺激するか、ということなのだろう。そ […]

  • 2025年3月13日

英語タイトルは『NO HEAVEN, BUT LOVE』。今いる場所になじめない少女二人の出会い、成長、恋。『私たちは天国には行けないけど、愛することはできる』

 高校のテコンドー部に所属するジュヨンと、少年院の学生(だが一時的に外に出て社会生活を送っている)イェジというふたりの少女の成長物語にして恋物語である。物語の舞台は1999年、当然スマホはない。性差別や階級差別などはごく当たり前で、運動部の男性コーチなど「暴力で部員を鍛えてやるのが当然」という感じで […]

  • 2025年2月15日

どれが嘘でどれが真実? 混乱も含めて物語全体をじっくりと味わうべきインターネットスリラー『コメント部隊』

 嘘と真実がメダルの裏表のようにはっきりと分かれていれば、まだわかりやすいのに、現実は決してそうならない。あるひとにとっての嘘があるひとにとっての真実であり、光の当て方によって、ひとつの物事であっても嘘と真実のパーセンテージはたちまち変わってくる。  主人公のイム・サンジンは実に鼻っ柱の強い社会部記 […]

  • 2025年1月8日

インフルエンサー×不動産公認仲介士=? 韓国で大ヒットを記録したサスペンス・スリラー『#彼女が死んだ』

 人間の持つ裏表を容赦なく描いた一作。あまりにも裏表が激しすぎるゆえに、どこかコミカル、チャーミングにすら見えてくる。  「一挙一動に要注意」といいたくなる人物は、ふたりいる。まずは不動産公認仲介士のク・ジョンテ。見かけはさわやかなエリート風。だが職業柄、顧客から「鍵」を預かっており、つまりは不法侵 […]

  • 2024年12月24日

「このミステリーがすごい!」の2002年版海外編で第1位を獲得したベストセラーを、名匠ニック・カサヴェテスが鮮やかに映画化。『神は銃弾』

 平和な日々が、突如失われることへの疑問、虚無感、怒り、戸惑い、さまざまなものが映し出される。だが、それでも主人公は前を向き続ける。  主人公は、ボブ・ハイタワーという刑事。元妻とその再婚相手が惨殺され、さらに幼い愛娘が失踪した。ここで往年の映画なら「相手が誰か」と長々と引っ張っていくところかもしれ […]

  • 2024年12月5日

「栄養学」と「スリラー」の、驚きの出会い。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品『クラブゼロ』

 色合いが澄み切っている。調度品のフォルムも配置も澄み切っている。チリひとつない、指紋ひとつついていない感じか。人間が入ろうとしても、「生々しいものは拒否」とばかりにはじかれてしまいそうだ。  が、その「澄み切った空間」が、この映画では学校の教室であることを知る。しかも名門校である。ここに赴任してき […]

  • 2024年11月7日

『ブランカニエベス』の監督が、初のアニメ作品を発表。ドッグとロボットの温かな友情物語『ロボット・ドリームズ』

 1984年のニューヨークを舞台にした、スペイン・フランス合作のアニメーション映画。シンボル的な場所もいっぱい出てくるので、ニューヨークに行ったら「ロケ地探訪」をしても面白いはずだ。  主人公は、犬の「ドッグ」。マンハッタンのアパートに暮らし(なんたるうらやましさ)、かわりばえのしない毎日を過ごして […]

  • 2024年10月26日

ママに自作のパイを食べて欲しいだけなのに、卵1つ手に入れるだけで危機一髪状態になるとは……。『リトル・ワンダーズ』

 愉快でスリリングな「子ども映画」だ。『グーニーズ』『スパイキッズ』『ムーンライズ・キングダム』『ロッタちゃん』シリーズのファンにもおすすめとのことだが、それもわかる。もっともロッタちゃんのようにやたらめったら怒ったり叫んだり蹴りを入れたり、パンクな行動に出ることはないが、一瞬一瞬を真剣に生きる子供 […]